ナースの知恵袋

クレームがつらくて辞めたい新人看護師さんへ ○○さえできれば大丈夫!

患者に近い存在である看護師は、あらゆる場面でクレームに遭遇します。
やっと業務に慣れてきたと思ったら、患者からクレーム…
結構、落ち込みますよね。

特に、新人の頃は、クレームを受けた時にパニックになってしまい、とっさの一言やNG対応で問題をこじらせてしまう場合があります。

今回は、クレーム対応の中でも、一番重要とされている「初期対応」について学んでいきましょう。

新人看護師であれば、この「初期対応」さえ実践できれば、もう、はなまるです。

 

この記事では、

  • クレームとは?
  • クレームを受けてしまった場合の基本的な対応方法
  • 絶対にやってはいけないNG対応

について説明しています。

 

クレーム対応の基本を学ぶことは、クレームに対する恐怖感を和らげ、あなた自身を守ることにも繋がります。

ポイントを押さえて、日々の業務に活かして下さいね。

 

ではさっそく見ていきましょう!

そもそもクレームとは何か?

 

クレームとは…

①売買契約で、違約があった場合、売手に損害賠償を請求すること。

②異議。苦情。文句。

引用元:広辞苑

問題点を指摘したり、苦情を述べたり、意義を唱えたりする行為で、当然の権利を主張するという意味で用いられています。

おかぴー
おかぴー
 「期待していたよりも、実際のサービスのレベル低いやんけ!不満なんですけど!」という状態なんだね。

 

昨今では、患者の権利意識の高まりから、医療現場でのクレームは増加傾向にあります。

クレームの内容として、医療者側に明らかな非があるものもあれば、理不尽な言いがかりのような内容で、不当な要求をしてくる悪質クレーマーも存在するので注意が必要です。

悪質クレーマーへの対応は、クレーム対応に慣れている上司に任せましょう。

クレームの内容に関わらず、クレームを受けた場合「初期対応」が非常に重要です。

クレーム対応は最初の30秒が勝負!

「クレーム対応は、最初の30秒で決まる」と言われるほど、初期対応が重要です。

対応方法を誤ると、患者の怒りはさらにエスカレートして複雑化していきます。
問題解決までに多くの時間と労力を要し、対応する看護師は疲弊します。

初期対応の失敗から、大変な苦労をした経験はありませんか?

例えば「ちょっと、そこの看護師さん!さっきもうすぐ検査って言われて準備して待ってるんだけど…まだですか?」

廊下を歩いていたら、急に呼び止められる。
病棟ではよくある光景ではないでしょうか?

ここで声をかけられた看護師が「担当ではないのでちょっとわかりません」なんて言ってしまったら…

怒りがエスカレートして、問題がややこしくなるのは想像に容易いですね。

クレームが発生した場合、初期対応に失敗してしまうと、不満・怒りの炎はどんどん広がり、患者さんも振り上げたこぶしを自分で下げられなくなります。

怒りの炎がまだくすぶっているうちに、なんとか消し止めたいのです。

 

その消火方法が、正しいクレーム対応です。

病院でクレームが発生する原因

病院におけるクレームの多くは、以下のような原因で起こります。

  • 親身に話を聞いてくれない
  • 事務的な対応、心がこもっていない
  • 知識不足、情報不足、スキル不足
  • 忙しくて対応が丁寧でない、もしくは不十分
  • 接遇の基本を理解していない
  • コミュニケーション不足

病院はクレームが発生しやすい条件がそろっている

クレーム対応において、まず理解したいのは「怒りの感情は第二感情である」という事です。

ほとんどの人は、急に怒り出すということはありません。

人の心理には「不満や不安、焦りストレス、不信」などネガティブな第一感情があり、そこから第二感情の「怒り」にの発展すると言われています。

入院患者の多くは「気持ちが悪い、眠れない、痛い、だるい」といった身体の症状や「これからどうなってしまうんだろう」といった精神的ストレスなど、ネガティブ感情を常に抱えた状態にあります。

 

そのため、看護師のちょっとした言動や行動をきっかけに、患者の第二感情が爆発するという事態が起こります。

 

理想的なクレーム対応は、第一感情の時点で問題を解決する、もしくは第二感情である「怒り」が小さいうちに解決することです。

ここまで理解した所で、次の章からはクレーム対応の基本ステップについて見て行きましょう。

クレーム対応の基本5ステップ

  1. 初期対応:受容・共感・謝罪・感謝
  2. 傾聴と理解:とにかく聴き役に徹し、相手の気持ちを理解する
  3. 確認:状況や原因を確かめる
  4. 説明:解決策・代替案を提示する
  5. 謝罪:もう一度謝り、感謝を伝える

 

この中で特に重要なのが、1・2です。

新人看護師さんであれば1・2がマスターできればOK!

今回は、期対応」と②「傾聴と理解」までを重点的に説明していきますね。

ステップ①:初期対応

第一段階:「初期対応」のポイントは以下の5つです。

  1. はじめにクレームを受けた人の対応が最重要!
  2. 即、謝罪する
  3. 不安が怒りに替わる前から真摯に対応する
  4. 共感受容の言葉を使う
  5. オウム返しで相手の心情を理解する

①はじめにクレームを受けた人の対応が重要!

クレーム対応において、初期対応が上手くできれば、問題も割と簡単に、早く解決します。

逆に、初期対応に失敗すると、相手の怒りがエスカレート・複雑化し、解決までに多くの時間と労力を必要とするため、対応するスタッフの精神的ダメージが大きくなります。

②速攻の謝罪

まず、こちらに非があってもなくても、相手を嫌な気分にさせてしまったことをまずは詫びましょう。

 

即・謝罪です!

  • お待たせして申し訳ありません」
  • 「ご不便おかけして申し訳ございません」
  • 「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません」
  • 「私の説明不足で…」
  • 「わたくしどもの配慮が足りず…」

 

ここで大事なのは、全面的にミスを認めるわけではないということです。

「不快な思いをさせてしまったこと」だけに対してまずは、部分的に詫びる「部分謝罪」をするということです。

 

★お詫びをするときに言ってはいけないNGワード

「このようなことが二度とないように気を付けてまいります」

言ってしまいそうですよね。

「二度と…」

「絶対に」

はNGワードです。

 

絶対に同じミスが起こらないとは言いきれない。

できない約束はしない。ということです。

 

「今後、このようなことのないように努力致します。」というようにあえて言い切らない形でOKです。

③不安が怒りに替わる前に真摯に対応する

「怒りは二次感情である」ということを先ほどお話しましたが、ここが重要です。

怒りに到達する前に「寂しい、悲しい、心配、苦しい」などの一次感情があるはずです。

多くの場合、相手は「困っている、助けてほしい」段階で、あなたに声をかけます。

ここで対応を間違えると、相手は不当な扱いを受けていると感じ、一瞬にして、一次感情の「不安」は二次感情の「怒り」にかわります。

怒りがエスカレートしてから「これはマズイぞ!」と真剣に向き合うのでは遅いです。

まだ第一次感情である段階で対処できれば、お互いにダメージが少なくて済みますよね。

④共感受容の言葉を使う

「共感受容の言葉」とは相手を否定も肯定せずにそのまま受け入れる言葉です。

自分の保身などは一切考えず、相手の立場に立って物事を見てみるということです。

  • 「それは、お困りですね」
  • 「それは大変でしたね」
  • 「それはお辛いですね」

などが共感受容の言葉です。

⑤反論、否定、いいわけ、責任逃れ、曖昧はNG

「そんなつもりじゃないのに…」

「良かれと思ってやったのに…」

 

いいわけしたくなる気持ちはわかります。

しかし、グッとこらえましょう。

★怒りを増強させるNGワード

相手の気持ちを逆撫でしてしまうNGワードの一例です。

  • 「は?」「え?」
  • 「そんなはずはありません!」
  • 「規則ですので」
  • 「私は担当ではないので、ちょっとわかりません」
  • 「多分…」
  • 「一応…」
  • 「ほんとうに○○だったのですか?」
  • 「なぜそうなったのですか?」
  • 「○○さんは気付かなかったんですか?」

クレームの真偽を探ろうとする、「そちらにも非があったんじゃないですか?」と暗に問うような内容はNGです。

ステップ②:傾聴と理解

第2段階:「傾聴と理解」の場面でのポイントは以下の5つです。

  1. とにかく聴き役に徹する
  2. 聴く環境を整える
  3. ながら聞きはNG
  4. 非言語的コミュニケーションを意識する
  5. 相手の心情を理解し、ニーズを探る

①とにかく聴き役に徹する

相手が話し終わるまで、口を挟んではいけません。

とにかく話を聴きます。

 

②聴く環境を整える

話の内容や周りの環境や相手の状況(感情的になり、大声を出している)によっては、カンファレンスルームなどに案内して、聴く環境を整える必要があります。

この場合は、主任や師長などが同席し、2人で対応するのが望ましいです。

 

③ながら聞きはNG

忙しくても、手を止めます。

時間を気にするような動作もNGです。

「真剣に聞いてもらっていない」「適当にあしらわれている」と感じた瞬間、怒りはエスカレートします。

④非言語的コミュニケーションを意識する

医療現場では、マスク着用により、表情が読みづらい状況になっています。

言葉の内容だけでなく、相手に対して心から申し訳ないと思う気持ちが伝わるように、非言語的コミュニケーションも意識して対応します。

非言語コミュニケーションとは?

言語コミュニケーション・・・言語そのもの
非言語コミュニケーション・・・言語以外のもの

例:話し方、声の高低、間の取り方、表情、視線、姿勢、動作、態度、服装、持ち物など

⑤相手の心情を理解し、ニーズを探る

相手が今どんな状況で、どんな気持ちなのか?何を求めているのか?を正しく把握すれば、この後の4~6ステップに上手く繋げられます。

 

まず、話をよく聴いて、相手が何を求めているのか予測・把握します。

1、謝罪を求めるもの→謝罪する

2、説明を求めるもの→説明する

3、解決を求めるもの→素早く解決策を提示、対応する

パターン①:謝罪を求めている

苦情→「嫌な気分になった」「不快だ」

例:「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ありません。」

パターン②:説明を求めている

質問→「なんかよくわからないんだけど…」

例:「説明が足りず、申し訳ありませんでした。もう一度詳しく説明させて頂きますね」

 

パターン③:具体的な解決策を求めている

要求→「これ○○だから交換してよ」

例:状況を確認→「ご不便をおかけして申し訳ございません。すぐに新しい物をお持ちします」

 

クレーム対応の基本は、相手の求めているものは何か?を把握して対応する必要があります。

オウム返しが効果的

相手の気持ちを理解するときに「オウム返し」が効果的です。

「こっちは30分も待ってるんだよ!」→「30分もお待ちなんですね」

「急いでるんだよ!」→「お急ぎなんですね」

オウム返しをすることによって、相手も「きちんと理解してもらってえている」と感じて、少しずつ落ち着きを取り戻すことが多いです。

 

このあと③~⑤ステップが続きます。

③事実の確認

④改善策、解決策、代替案を提示する

⑤改めて謝罪と感謝

 

という流れです。

 

新人看護師の目標は初期対応でこじらせないというのが目標ですから、まずは「初期対応・傾聴と理解」の2ステップまでをマスターしましょう。

これは悪質クレーム?と思ったら…

一般のクレームの他に悪質なクレーマーが存在します。

明らかにクレーム内容とは別の意図がありそうな場合は、要注意です。

主に金品の要求業務妨害を目的としたものがあります。

 

悪質クレーマーの特徴として

  • 大声を出したり、物に当たったりして、相手に恐怖心を与える
  • しつこく、長時間にわたって拘束する
  • 反復して同じ質問を繰り返し、揚げ足をとろうとする
  • 具体的な提案や約束をさせようとする

などがあります。

「これは普通のクレームじゃないかも」と感じたら、一人で対応せず、すぐにヘルプを要請します。

主任や師長といった責任者、もしくはクレーム対応の訓練を受けたスタッフに、バトンタッチしましょう。

勤務先のクレーム対応マニュアルに一度目を通しておくと安心ですね。

あなたの心を守るために覚えておいて欲しいこと

クレームはあなた自身に直接向けらるもの、他のスタッフの不手際、病院全体の問題に対してのクレームなどさまざまなものがあるでしょう。

指摘を真摯に受け止めて、改善を図ることは大切ですが、「たまたま運が悪かっただけ」と開き直るのも、時には必要だと思います。

クレームを受けるのは誰しもツライです。

患者の元を離れたら、休憩室やロッカーで同僚や先輩に話を聞いてもらってください。そして、休みの日は仕事から離れて、リフレッシュしましょう。

失敗したら、次に活かす!それで良し!

私にも苦い思い出がいくつもあります。

看護師になって10年以上経ちますが、何度かクレームを受けたことがあります。

当時の私は、クレーム対応に対して十分な知識がありませんでした。
ごもっともな指摘を直球でぶつけられて焦った私は、「いいわけ」「保身」というNG対応をしてしまったのです。

結果、問題をこじらせてしまい、最後まで患者さんとの関係を修復することができませんでした。

どうか、私のような悔しい思いをせずに済むように、クレーム対応スキルを身につけてください。

まとめ:クレーム対応の基本を押さえて自信をつけよう!

クレーム対応の基本5ステップは

  1. 初期対応:受容・共感・謝罪・感謝
  2. 傾聴と理解:とにかく聴き役に徹して理解する
  3. 確認:状況や原因を確かめる
  4. 説明:解決策・代替案を提示する
  5. 謝罪:もう一度謝り、感謝を伝える

 

でした。

新人看護師は、5ステップの中から、まずは1・2をマスターしましょう!

そしてクレーム対応の大原則も忘れずに♪

クレーム対応の大原則
  • まずは謝罪(部分的に)
  • 手を止めて、相手の話をよく聴く
  • NGワードは使わない
  • 相手の立場に立って考えてみる
  • できない約束はしない
  • 困難事例は組織として対応する

看護師の仕事が少しでもラクに楽しくできるように、スキルアップしていきましょう♪

ABOUT ME
komaten
現役訪問看護師/やんちゃ盛りな男の子2人の母です('ω') 今はこのブログが趣味の一つになってます。