訪問看護師

 看護師向けおすすめ本レビュー(1) 在宅で出会う「なんとなく変」への対応法

 

 

こまてんと本屋さん
こまてん
こまてん
今回は「なんとなく変」にどう向き合ったらいいか、症状に対してどう考えて、どう動いたらいいのかがわかるようになる本をご紹介します。

この本はこんな人におすすめです♪

・訪問看護にチャレンジしたい人
・現役の訪問看護師
・在宅療養にかかわる職種(介護士、ヘルパー、ケアマネジャーなど)
・訪問看護の利用者さん、ご家族

 

 

主に訪問看護師に向けて書かれていますが、在宅療養にかかわる介護士やヘルパー、ご家族の方などにも役立つ内容になっています。

著者について

在宅医療、地域医療に携わる医師ら8名(家研也先生含む)により執筆され、聖マリアンナ医科大学総合診療内科医の家研也先生によって編集されました。

もともとは、医学書院から出版されている雑誌「訪問看護と介護」で連載された「これって急変?なんとなく変への対処法」に加筆・修正を加えてまとめられたのがこの本です。

この本を読む前と後ではこう変わる!


・「なんとなく変」を言語化できるようになる

・自信をもって症状の評価が行えるようになる
・急変時にどう考え、どう動くべきかがわかる
・医師の思考過程を知り、効果的な報告の仕方がわかる


本の内容をもとに、現場で実践を積むことで訪問看護師としてスキルアップできる!!

おすすめポイントは?

注目ポイントが現場目線。

この本の中では新人看護師ひろみさん熱血Dr修造の熱い指導を受けながら「急変のニオイ」をかぎ分けるポイントを学んでいくという対話形式で話が進んでいきます。

本の内容は大きく2つのパートに分かれています。

第1部では、発熱や食欲がないなど在宅でよく出会うありふれた症状の中から「急変をかぎ分ける力」をアップさせる知識が盛り込まれています。

そして、第2部では急な症状への対応に加え、急変を予測した対応をするためのアセスメントの視点、在宅での看取り、災害などの緊急時対応などに関する話題がテーマ。

 

どれもこれも、現場で働く訪問看護師が日々迷い、悩んでいることばかり。。。

こまてん
こまてん
目次はこちら!

【第1部】
第1話 この熱様子見て大丈夫?
第2話 在宅医の頭の中ってどうなっているの?
第3話 意識が変!?に出会ったら?
第4話 息が苦しい!さぁ、どうする?
第5話 なんとなく元気がない、動けないへの対応は?
第6話 どうして、おなかが痛いの?
第7話 もしかして、脱水?尿が減っている?熱中症?
第8話 食事量が減っている?胃ろうにするか?
第9話 その皮膚トラブル、対応を急ぐ?急がない?
第10話 おむつに血!これは下血か!?
第11話 3種の「クダ」のここがモンダイ!!
第12話 転ばぬ先と転んだ後の杖になる!
第13話 薬で急変!?どんな症状?どの薬?

【第2部】
第1話 在宅でケイレン!?まずどう動く?
第2話 効果的なコミュニケーションの要件とは?
第3話 初回訪問 虎の巻!
第4話 退院後の「急変」「再入院」を予防する秘訣
第5話 緊急を要する血圧・脈拍の異常を見極める!
第6話 危ない浮腫に気をつけよう!
第7話 危ない悪心・嘔吐を見逃さない!
第8話 おなかがパンパン!何を、どうみる?
第9話 災害時!さぁ、どうする?
第10話 在宅緩和ケアの始め方
第11話 在宅緩和ケアの進め方
第12話 どうみる?診断がつかない「いつもの」症状

「そうそう、コレ!迷うんだよね~」「それ知りたい!」

症状別のフローチャートがいくつか掲載されており、自分がどのようなことを考えて、行動するべきかが順序立てて考えられるようになっています。

【例えば、訪問して「意識状態がいつもと違う!?」と感じた場合】↓

まずは意識レベルの確認ですよね。
JCSやGCSで評価したら、忘れちゃいけないバイタルサイン
ここまでで異常があれば医師に連絡!

3つの低〇〇の除外
低体温、低酸素血症、低血糖

探偵のように原因となるものがないか落ち着いて「病歴」をとっていこう!
・発症は急激?ゆっくり?
・症状に波がある?
・何かきっかけがあった?随伴症状は?
・頭に傷はない?過去の転倒歴は?
・薬の影響は考えられないか?
・現場の状況はどうか?

発症であれば「せん妄」も疑ってみる(誘因となるものはないか?)
・環境の変化があった?
・便秘や尿閉はない?
・感染や脱水、全身状態の変化はないか?

検査や治療に対して、本人や家族はどうしたいと思っているか?

これらの情報を集めて医師へ連絡。

 

このように気になる症状に出会ったとき、どのように考えて、どんな行動をとればいいのかが症状別にわかりやすく記載されています。

医師の思考過程がわかる

この本の中では、在宅医療の現場では「医師が正しい診断をするための援助」も看護師の仕事の一つとして求められているのよ~と書かれています。

恥ずかしながら私も、今まで【看護師の診断プロセス】と【医師の診断プロセス】がどう違うかということがよくわかっていませんでした。

ひなこ
ひなこ
看護診断は習うけど、先生がどんな風に診断してるのかなんて知らなかった・・・

医師がその場にいないことも多い在宅医療の現場では、「診の補助」は看護師が役割とする「診の補助」の重要な一部です。(在宅で出会う「なんとなく変」への対処法 第5話より)

看護師の業務は、療養上の世話または、診療の補助を行うこと。ですよね・・

ひなこ
ひなこ
診療の補助は知ってるけど、、診断の補助って。

医師が診断を下すためのお手伝いもするんですか~
なんかすごいことをしているような気分。

 

 

診断を手伝うの???看護師の私が???

と思うかもしれませんが、すぐに駆け付けることができない在宅医療の現場では、診断の補助という看護師の役割は重要です。

診断の補助を行う上で、医師がどのような思考プロセスで診断を進めていくのかを知る必要があります。

医師は、検査前確率(疾患の存在する可能性)と起こりうる害疾患を見逃した場合の害)を考え、それに応じて、【検査→確定診断→治療】をおこなっている

ですって…なーるほど。

医師の考え方気持ちってなかなか聞ける機会がないですよね。

ひなこ
ひなこ
「なるほど!先生はそう言う風に考えて診断してるのか…。診断に役立ちそうな情報をきちんと報告しなきゃね。」

「報告の際に、この情報を加えてくれると助かる!」という医師からのアドバイスが書かれているのも非常に参考になりますよ!

 

そして、悩み多き、電話での報告。


病院なら、「とにかく見に来てください!」と診察を依頼することも可能かもしれませんが、
在宅ではなかなかそういうわけにがいかないのです。。。涙

自分の目で見たこと、考えたことを言葉だけで伝えるって、とっても難しい。
緊急時は特に、しどろもどろになりがち。
動揺してしまったり、必要な情報が取れていない、自分の考えに自信が持てない、などの理由から、うまく報告できないことが多いです。

ひなこ
ひなこ
優しい先生ばっかりじゃないですもんね・・
会ったこともない先生だとキャラもわからないし。
ぶっきらぼうな先生も多くて、すごく緊張します。

この本の中には、情報伝達のテクニックとして「SBAR」の紹介、具体例も書かれています。
SBARに沿って文章を組み立てることで、相手に伝わりやすい報告ができます。

振り返りもかねて、自分の体験した症例をもとにSBARで整理しなおして、報告の練習をしてみるのもおすすめですよ。

最後に

在宅医療にかかわる者として、一番怖いのは、危険なサインを見逃してしまうこと。
「なんかおかしいな・・気になるな」と思ったら、迷わず周りの先輩や医師に報告、相談しましょう。

そしてこの本を読んで「なんとなく、気になる」→「どうして気になるのか」を説明できる力を身につけていきましょう!

 

■編集:家研也
■発行:医学書院(2017年7月15日)
■版型:B5 224ページ
■定価:本体2400円+税
ISBN978-4-260-03168-4
ABOUT ME
komaten
新人時代に看護師辞めたすぎた看護師。 看護師始めて、かれこれ10年。 今は楽しく、ゆったりと訪問看護やってます。