訪問看護師の仕事

新卒・臨床経験ゼロで訪問看護のメリット・デメリットを考えてみた。

新卒ナースはまず病院で働くのが一般的。

でも中には新卒で訪問看護ステーションへの就職を考えている看護学生さんもいらっしゃるかもしれません。

 

私、、、訪問看護師になりたいんです…

こんな風に言ってもらえたら、そりゃうれしいです。

 

 

 

卒業したらすぐに訪問看護やりたいんです!!

うぅ・・  うれしいけど…

 

 

うーん・・・

 

 

学生の時点で興味関心のある分野があるというのは素晴らしいと思います。
その気持ちは大切にしてほしい。

でも・・・

よっしゃーーー!
新卒ナースでもバンバン訪問看護師になってくれ!とは言えない…

 

それはなぜか。

◆訪問看護には看護の魅力が詰まっている
◆訪問看護はものすごくやりがいがある

 

だけど・・・

 

◆新卒者の教育に積極的なのは一部のステーション(大手)
◆実際に新卒者採用して育てるのはかなり大変

 

長い年月をかけて新卒者育成カリキュラムを作成と修正を繰り返してきた病院と比べるとまだまだ発展途上。

そもそも、訪問看護ってマンパワー不足なのに十分な教育できるのだろうか?という不安。

 

①新卒ナースが訪問看護師になる場合のメリット・デメリットをしっかり押さえておくこと

②自分の適性やどんな看護師なりたい?どんな環境で働きたい?などよーく考えること

③しっかり成長していける教育体制が整った職場を就職先に選択すること

 

この3つが超重要です。

 

 

今回は、この3つの中から

新卒ナースが訪問看護師になる場合のメリット・デメリットをしっかり押さえておくことについて

こちらをテーマに考えていきます。

 

 

「新卒で訪問看護師」という道も選べるようになってきましたが、あなたの周りにモデルとなる先輩いますか?

私は現在訪問看護師として、新卒で入社したスタッフ(同期)と一緒に仕事をしています。(私自身は急性期病院で5年働いたのちに訪問看護師になりました)

新卒で訪問看護師は無理?私の同期は新卒ナース!新卒ナースが「訪問看護やりたい」なんてとんでもない!まだそんなこと言ってる人いませんか?いまや、看護師養成学校を卒業したての新卒者でも訪問看護師を目指せる時代です。現役訪問看護師で、新卒で訪問看護師になった同期を持つ管理人が「訪問看護師になりたい」と志望する新卒ナースに向けて、どのような課題をクリアしていく必要があるのか そのため受けられるサポートなどをまとめました! ...

 

そんな同期と一緒に仕事していると新卒で訪問看護師になるのって看護師として結構リスキーなことなのかも・・・と思うこともありまして。

 

看護師人生のスタートとなる職場ですから、是非メリット・デメリットについて考えて頂き後悔のない選択をしてほしいと思います。

 

新卒ナースが訪問看護師になるデメリット

本人側のデメリット

  • 同期が少ない(いない)
  • 教育体制に不安がある
  • キャリアアップに不安がある
  • 利用者さんに不安がられる
  • 基礎を網羅して学ぶのは難しい
  • 対応力に不安がある
  • 周りがベテランナースばかりで気後れしてしまう

私が学生の時点で猛烈に訪問看護をやりたかったとして、初めての就職先に訪問看護を選ぶか?

 

んーー難しい。だって・・・

  • ホントに自分に向いているかわからない
  • もし、やってみて、違った‥と思っても辞めづらい
  • 同じ世代が少ない(ジェネレーションギャップ)
  • 支えあう同期が少ない、もしくはいないのが心細い
  • ちゃんと教育が受けられるか心配
  • なにより一人で訪問することが不安

このような不安が湧き上がってくるからです。

不安を跳ね返すほどの情熱と充実の育成サポートがあれば話は別かもしれませんが…

教育する側の悩みもある

新卒者を採用する側の不安

  • 苦労して育てても、1~2年で辞められてしまったら?
  • 在宅分野への適性はあるだろうか?
  • きちんと教育、フォローができるだろうか?

 

一人の看護師を一人前に育てるためにはとてつもない労力と時間、お金がかかります。
それを承知で採用するわけですから、審査の目は必然的に厳しくなると思います。

  • 社会人のマナーは?
  • コミュニケーション能力は?
  • 看護師としての適性は?
  • 仕事に対する熱心さ、情熱は?

 

入職時の研修に関しては、事業所内だけでは十分な対応ができないため、外部の研修に参加します。

スケジュール調整、研修で補えない部分は各事業所でカバーが必要です。

レンタル模型で技術の練習をしたり、健康診断時の採血を担当させてもらうなど、看護技術を経験する機会をつくっていました。

 

在宅では、採血や点滴を行う機会は少なく、浣腸や摘便などの処置は多い傾向があります。実施する機会の多い技術を優先的に訓練していくので、病院のように一般的な看護技術や医療処置を網羅的に学ぶことは難しくなります。

 

訪問先の選定にも配慮が必要です。
新卒ナースにとって負担が大きすぎないか?
今のレベルにあった訪問先はどこだろう?

例えば病院であれば、少し不安があっても先輩のフォロー付きで注射を実施できたり、単独でのケアが難しそうであれば、その時点で周りのスタッフに相談し、支援を受けることが可能です。

しかし、在宅では相談は電話でできたとしても、見守ること・必要があれば手を出して支援することができません。

【同行訪問で見学→支援を受けながら実施(一部実施)→見守りのもとで実施】
このように独り立ちに向けてステップアップしていきますが、ある程度のレベルに到達していなければ単独訪問させるわけにはいきません。それまでは先輩ナースの同行訪問が必要となります。

待機(緊急時対応)デビューしからも、しばらくは所長や先輩のフォローが必要になることが多いです。

臨床経験があった方がいい理由

病院と在宅では、求められる看護の質が違う。
視点も違う。

 

 

確かにそのとおり。

 

 

でも、病院で学んだ知識や技術、経験(いいことも悪いことも含め)はめちゃくちゃ役に立っているので「病院での看護を経験して→訪問看護師になる」の順番でよかったと思ってます。

 

 

例えば

「点滴が漏れてるようなんだけど…」とご家族から電話が来た

→ホントに漏れてるかどうやって確認する?
漏れてた場合の応急処置は?
次はどこに入れる?
どうすれば漏れた部分の痛みが和らぐ?
治っていく過程は?
家族へはこう説明すれば、不安が少ないかも。

 

「今朝玄関で転んだ」

→観察項目は?これから起こる可能性があるのは?

注目してほしいポイントを伝え必要時連絡をもらうようにしよう。

本で勉強したらいいじゃん!という意見もありそうですが、やはり現場で実際に体験してきた内容は知識としても定着してますし、なにしろ説得力があります。

 

 

クレーム対応

セクハラの上手なかわし方

傲慢な医師とのかかわり方などもね…

 

病院ではたくさんのメンバーと一緒に仕事をしています。
院内でさまざまなトラブルやハプニングも起こります。

 

周りのスタッフの仕事を観察・・・
「この方法いいな」と思ったケア方法(患者さんとのかかわり方なども含め)はどんどん吸収することができますし、こんなトラブルの時はこういう対応でいいのね!みたいなことも学べますね。

 

(訪問看護では、他のスタッフがどのようにケアしているのか、話を聞くことはできても実際に見られる機会はほとんどないのです)

 

このような経験をしてきたか、していないかは特に急変やハプニング発生時に大きな差が出るんですよね・・・

 

 

臨機応変に対応できるかどうかのスキル(度胸も含め)をUPさせるためには、病院で経験してきたこと非常に役立っています。

 

私の場合は…

 

私自身は、新卒で病院に就職して臨床経験を積み(5年)訪問看護ステーションへ転職しました。

【私が新卒で訪問看護師を目指さなかった理由】

  • 訪問看護にそれほど興味がなかった
  • そもそも新卒ナースに務まるとは思ってもいなかった
  • 訪問看護はベテランナースが働く職場というイメージが強かった
  • そして、世間的にも新卒で訪問看護なんて無理という雰囲気だった

新卒時代に訪問看護をやりたい(できる)とは全く思ってなかったので就職先の選択肢に入ってなかったのが一番大きいですかね…

 

臨床経験があってからの訪問看護でよかったこと

 

私はどちらかというといろいろな職場を経験してみたいタイプなので、選択肢が狭まるのはちょっと嫌かなと思うんです。

  • 独身、体力があるうちに【夜勤あり、急性期】が経験できた
  • 医療安全、感染対策についての基礎知識が身についた
  • 看護技術の基礎となる型をマスターして在宅で応用できた
  • 病院での看護の限界を知ることができた
  • 入院中、患者さんがどんなことに苦しんでいるか知ることができた

「病院」という治療が優先される現場で働いてきたからこそ「在宅っていいな~」という訪問看護のすばらしさが身に染みるというのもあるんですよね。

あと、訪問看護はどちらかというと【医療】というより【介護】の要素がかなり強いので、もしも、もしも、病院に戻ることになった場合、やっていけるだろうか…と不安はあります。

病院に戻るとしたら不安なこと

 

戻る予定は全くありませんが、戻るとしたらこのあたりが不安ですね。

  • 清潔・不潔の正しい判断ができるのか
  • 医療の進歩についていけるか心配
  • 一度に多くの患者さんを受け持てるか心配
  • 技術のおとろえが心配(採血、点滴など)

 

あなたは将来的にどうなりたい?

 

長い看護師人生、この後、ずーっと訪問看護で働いていくなら問題なし!
でも、もし別の道に進みたくなったら??

新卒→訪問看護→病院
・身の回りにほぼいない(取り組みが始まったばかりで前例がほとんどない)
・病院のやり方、ルールなれるのが大変
・在宅とのギャップに悩まされる
・一から学びなおす覚悟が必要(清潔操作など)

 

新卒→病院→訪問看護→病院
・このパターンは割とある
・以前経験したことがあるから、慣れるのは早い
・病院とはどういう場所かある程度わかっている

努力次第でどうにだってなりますけどね…^^

このあたりは承知の上で【新卒で訪問看護師】を目指すことをオススメします。

 

絵を描くにしても、英語を習得するにしても、物事を習得していく流れは【基礎→応用(特殊なケース)】へ展開していくことが多いですよね。

 

新卒で訪問看護は利用者さんによっては、応用レベル(特殊なケース)が求められることもありますから、、そういう所が難しい部分かなと思います。(はじめから難しいケースを担当することはないと思いますが)

でもね…メリットもあるよ

 

デメリット多いな!

もうやめた方がいいのでは…と思いますよね?

 

でも…これだけは伝えさせておくれ。

メリットもある!

 

【新卒で訪問看護師】
なにがメリットかというと…

それはとにかくりがいを感じられること。

病院に就職するとまずは業務に慣れること、看護技術を習得することが求められます。
そして何より、忙しい。余裕がない。

ひなこ
ひなこ
仕事を覚えることに必死で、正直、患者さんのことちゃんと関われてなかったな…

まずそこでつまずいて苦しむことが多いですよね…

 

私もそうでした。

私はこんなことがしたくて看護師になったんだっけ???

 

病院では、一人で複数の患者さんを看つつ、その他、カルテ入力、検査出し、入院受け、不足物品発注…

本当に忙しい。

やらなきゃならないことが多すぎて、正直、患者さんの話をゆっくり聞いている時間なんてありません。

訪問看護はやりがいを感じやすい

 

では、訪問看護はどうでしょう?
訪問看護ではお宅に伺ったら、目の前の利用者さんのケアに集中できます。
自分もしっかり利用者さんに向き合えていると感じられますよね。

 

状態が落ち着いている利用者さんであれば、体調変化がないか注意しながらも、バイタルを測定して、リハビリして…
そんなに高度な技術は必要ありません。

 

看護師として基礎レベルに到達していれば対応できることも多い。
訪問看護師が新卒あろうがなかろうが「来てくれてありがとう、安心した」という感謝の言葉をもらえる機会は病院より多いです。

 

「同級生は病院で過酷な状況なのに、私は先輩たちにおおらかに見守ってもらってありがたいです。病院に就職した子たちはホントに毎日大変そうで…全然違いすぎてびっくりしました。」

こんな風に言っていた新卒ナースのAさん。

親子ほど年の離れたベテランナースに囲まれて、娘のように大切に育てられながら、どんどん訪問看護師として成長しています。

一人で訪問することにプレッシャーももちろんありますが、相手の期待に応えたい、役に立ちたいという想いが学習意欲も高めてくれるでしょう。

看護師を続けていくのって結構大変だから…

 

看護師を長く続けるには、働き続けるための原動力が必要です。

そのパワーの源はやっぱり頼りにされていると感じること、そして、感謝されること。

一人の利用者さんのために、悩んで悩んで、しっかり向き合って「安心して家で過ごせたのは看護師さんたちのおかげです」なんて言われた日にゃ、もう嬉しすぎてそれまでの苦労も疲れも吹っ飛びます。

こういう看護師であり続ける動機みたいなものは病院より見つけやすいのかな…と思います。

ステーションの教育体制の確認は必須

 

新卒訪問看護師の育成の試みはまだまだ始まったばかり。
教育体制が整っているステーションの数は限られています。

あなたが新卒ナースで訪問看護ステーションに就職を考えた場合、その職場できちんと教育を受けられるかどうかはしっかり確認する必要してくださいね。

 

まとめ

【新卒で訪問看護師】になるデメリット

  • 同期が少ない
  • 教育体制に不安がある
  • キャリアアップに不安がある
  • 利用者さんに不安がられる
  • 基礎をしっかり学びづらい
  • 対応力に不安がある
  • ベテランナースばかりで気後れしてしまう

確かにデメリットはあります。

ありますが、、、それ以上に看護師を続ける動機であるやりがいを見つけやすいという特徴もありました。

デメリットもよく理解した上で「訪問看護やりたい!」という強い情熱があるという方は是非ともチャレンジして欲しい!

新しい道をどんどん切り開いてください(^^♪

ABOUT ME
komaten
看護師始めて、かれこれ10年。 今はゆったりと訪問看護やってます。