こんにちは、こまてんです(^^)
今回は働くママナースにとっての強い味方!
「院内保育」についてのお話です。
私が以前勤めていた病院にも院内保育所が併設されており、利用すべきか悩んだ経験があります。
その経験を活かし、
仕事と子育ての両立を目指すママナースに向けて
「院内保育所(託児所)」と「保育所(認可保育所)」の違いや子どもの預け先を選ぶ際のポイントをまとめてみました。

まず、保育所とは大きく分けて認可保育所と認可外保育所(無認可保育所)に分けられます。
認可保育所とは
認可保育所は国が定めた基準(施設の広さ・保育士等の職員数・給食設備・防災管理・衛生管理等)を満たし、各都道府県知事に認可された保育所のこと。
入園の選考、預ける時間帯の制限などは市区町村により定められています。
基本的には、自分が住んでいる市区町村の保育所に入所します。
保育料は世帯収入によって決まり、公立、私立ともに同じ額です。
認可保育所の中にも公立と私立があります。
①公立保育所
各市区町村が運営。入園手続きは市区町村に申請します。
保育士は公務員。
②私立保育所
社会福祉法人、NPO法人や企業、学校なども経営に参入しています。
公立に比べて制約が少なく、英語教育に力を入れるなど、保育所によって特色が出しやすいという面もあります。
認可外保育所(無認可保育所)
認可外保育所には、企業内保育所やベビーホテルなども含まれます。
認可外という言葉からマイナスイメージをもってしまいがちですが、決してそんなことはありません。
国が定めた基準は満たしていない保育施設という分類にはなりますが、利用する側のニーズに応えるべく、休日や夜間の預かりなど柔軟に対応している施設もあります。
院内保育所もこの認可外保育所に分類されます。
院内保育所ってどんなところ?
院内保育所とは、病院内で働く医者や看護師、コメディカル(放射線技師や理学療法士等の職種)などの子どもを預かるための保育施設で、病院内もしくは病院に併設した場所に設置されます。
次に院内保育所のメリットとデメリットについてみていきましょう。
メリット
保育料が安く設定されていることが多い
利用料金は施設ごとに決められているため、一概には言えませんが、院内保育園は他の保育施設に比べ、保育料が安めに設定されていることが多いようです。
2019年10月から、幼児教育・保育の無償化が開始されました。その結果、3歳以上の子どもにかかる保育料の負担が減りましたが、無償化の対象は3歳~5歳なんですよね。
保育料が高額な0~2歳児は今まで通りの保育料なので要注意。(住民税非課税世帯については、0歳~2歳児も無償化の対象となります)
私の場合、0~2歳児を保育施設に預けようとすると、月額6万円ほどの費用が必要なところ、院内保育所の利用料は月額1万5千円でした。
安っ!!

これはかなり魅力的ですよね。
復帰の予定が立てやすい
認可保育所では前年度から入所募集が始まり、4月入所の段階でほぼ定員が埋まります。
そのため、保育所の定員に常時空きがあるという地域でない限り、4月以外での入所はかなり厳しいと考えた方がよさそうです。(年度途中に空きが出ること自体レアです。そして空き待ちのライバルも多い)
認可保育所に入所するためには、育休に入ったと同時に情報収集をスタートし、育休を短縮したり、延長したりして4月復帰を目指すというのが一般的なパターンだと思います。
それに比べ、院内保育所は基本いつでも入所できます。(定員オーバーなら待機になる可能性あり)「来月から復帰するわ!」と勢いで復帰を決めても対応してもらえる可能が高いということですね。
送迎の負担が少ない
自宅と勤務先が近ければ最高です。
いちいち通勤途中で保育所に寄り道しなくていいわけですから、保護者の負担はかなり減ります。
保育所の駐車場が混んでいてなかなか止められない、勤務先と逆方向に保育所があるなど予想以上に時間がかかってしまう場合も結構あるんですよね…( ;∀;)
院内保育所のほとんどは病院内、もしくは敷地内に併設されています。
子どもと一緒に通勤して、駐車場の移動もなしでOK。
そのまま送迎完了できるというのは、一分一秒無駄にしたくないママにとってはかなり魅力的です。
24時間体制
施設によりますが、子どものいるママナースでも夜勤ができるように、24時間体制の院内保育所もあります。
私の勤務先は週に3日(月、水、金)のみ夜間保育対応可でした。
なので、その曜日のどこかで夜勤シフトを入れてもらうイメージです。
夜勤明けのお迎えのタイミングも施設によってばらつきがあります。
「お昼前までには迎えに来てくださいね!」という所あれば、
「夜勤明けはママも休みたいよね、夕方まで預かりますよ~」
という施設もあったり。
院内保育所によって対応にばらつきがあります。
子どもの体調不良にも対応(病児保育、病後児保育にも対応)
働く親にとって一番悩むのは、子どもの体調不良時の預け先がないことではないでしょうか。
そもそも、子どもが具合悪い時は気兼ねなく休める。
そんな職場環境だったらなんの問題もないのですが…
「子どもが熱を出したので休ませて頂きます。」なんて簡単に休めないのが看護師の仕事。
子どもがつらい時、そばにいてあげられない。
仕事を辞めてしまいたくなる瞬間です。
そんな時、普段利用している保育所で病児保育に対応してもらえるのであれば、精神的な負担もかなり軽減されますよね。
子どもが風邪をひいたり、病気からの回復時に預かってもらえる病児保育や病後児保育は、地域のクリニックや病院に併設されていること多いです。
でも実際利用しようとすると結構大変…
事前に見学して登録が必要ですし、当日も医師の診察を受けてから預けなくてはいけません。
お弁当やおやつ、着替えなど準備するものも多く、そもそも一日に利用できる人数は3~4人など少人数。感染症の流行時期には、前日からすでにキャンセル待ちの状態ということもあります。
そしてなにより、体調不良で最悪のコンディションな中、馴染みのない場所で過ごさなければならない子どものことを考えると罪悪感でいっぱいになります…
普段預けている院内保育所で病気の時も見てもらえるのは、親にとっても子どもにとっても負担が少なく、大きなメリットですね!
残業で多少の時間延長などにも対応
私は認可保育所に子どもを預けていましたが、病院勤務の時は閉所の時間(うちの場合20時でした)に間に合うように逆算して必死で仕事を終わらせてました。
幸い、お迎えの時間に間に合わないということはなく、嫌味を言われたこともありません。
院内保育所であれば、仕事が終わればさっと迎えに行くことができますし、多少の延長だったら対応してくれる場合もあるかもしれません。
私が以前働いていた病院の院内保育所は、結構時間に厳しかったです。
遅くとも7時半までにお迎えに来ないと、ナースステーションに催促の電話がかかってきます。
緊急入院、患者さんの急変などで病棟全体がバタバタで「一体いつ帰れるんだろう…」という日もありますよね。
そんな日には、一旦子どもを迎えに行き、病棟の休憩室で待っていてもらい残務をこなすママナースさんもいました。

デメリット
仕事の日しか預けられない
院内保育所は、勤務日以外は子どもを預けられないこともあります。
「休みの日は子どもと一緒に過ごしたいからいいのよー」という人は問題ありませんが、「たまには一人の時間も欲しいわ」という人にはデメリットになりますね。
子どもも成長とともに「ママがお休みの日も保育所に行きたい!」「お友達と遊びたい」という気持ちが出てくるかもしれません。
残業や夜勤が可能になってしまう
臨機応変に対応してもらえるのはメリットでもあるのですが、子どもが小さいうちは仕事はセーブしたいという人にとってはデメリットにもなります。
院内保育所の利用条件やある程度融通が利くことなどは、先輩ナースや師長クラスは把握しています。
「ちょっとくらい遅れても大丈夫だよね」と口に出して言う人はさすがに少ないと思いますが、残業OKなスタッフという認識をされてしまう可能性はあります。
夜間保育対応可の院内保育所に預けたがゆえに「夜勤はしばらく避けたい」と思っていても、上司からのお願いを断りきれずに、夜勤に入ることになるかもしれません。
保護者が病院スタッフ
院内保育所に子どもをに預けている保護者は、同じ病院で働く医師や看護師などのスタッフです。
前向きにとらえれば、チョット苦手な医師や先輩ナースとも仲良くなるチャンスかも!?
しかし、多くのママナースは保護者が同じ職場で働くスタッフということをデメリットに感じているようです。
子ども同士のけんかで親同士も気まずくなったり、子どもが見聞きしたことを家庭内で話すことで変な噂を立てられたり、保育所内でのトラブルが職場での人間関係に影響を及ぼす可能性があります。
職場で顔を合わすだけでの関係だったのが、保護者として付き合いが生まれることでわずらわしさを感じてしまうかもしれません。
園庭が狭い、イベントが少ない
施設によっては園庭がない場合もあります。
園庭があっても認可保育所のように広々としたスペースの確保はされていない院内保育所も多いようです。
また、子ども達が楽しみにしているイベントですが、
・院内保育所は利用している子どもが少ない
・利用する日がバラバラ
・職員数が限られている
などの理由からイベント数は少ない傾向があります。
友達が限られる
院内保育所は小規模で利用者も少人数の場合が多いです。
そのため、たくさんの友達とのかかわりを経験して、成長して欲しいと考えている場合には院内保育所では物足りなさを感じてしまうかもしれません。
また、仲良しの友達ができても親のシフトによっては保育所で会えない日もあります。
同じ顔触れの方が安心できる子の場合、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
転園、二重保育の可能性
子どもが成長してくると、同じ年代の友達と遊びたい、広い園庭で遊びたいという子も出てくるでしょう。
親としても小学校入学に向けて、読み書きなど教育的な部分も少し取り入れて欲しい、同じ小学校に通う友達を作っておきたいなど、色々な変化が出てくると思います。
そのようなニーズに応えるため、保育所まで幼稚園の送迎バスが迎えに来て日中は幼稚園で過ごし、朝と夕方は院内保育所で過ごすという二重保育に対応している院内保育所もあります。
3歳を超えると保育料の負担も減り、預け先の選択肢に幼稚園なども加わるため、選択の幅がぐっと広がります。
多くの場合、この3歳というタイミングで別の保育施設や幼稚園等へ移ることが多くなるようです。
子どもの年齢による違い
0~2歳児まで
・とにかく安心して預けられる場所がいい(施設の充実より保育士さん重視)
・【小規模、家庭的な保育】が魅力的に感じる
・院内保育所の利用料の安さに魅力を感じる
・希望すればほぼ入所できる(落とされる確率が低い)
・何かあったら駆け付けられる、子どもが近くにいるという安心感がある
・仕事が休みの日は子どもと過ごしたいと思っている
→これらのことから院内保育所利用にメリットを感じる人が多い
3歳以上になると
・広い園庭で遊ばせたい、同年代のたくさんの友達と触れ合って欲しくなる
・小学校入学を見据えて親子ともに友達が欲しくなる
・幼稚園など保育施設選択の幅が広がる
・3歳以上は保育料の負担が減る(幼児教育・保育無償化の対象となる場合)
・読み書きなど学習面や英語・体操などのカリキュラムも気になりだす
・仕事が休みの日は「思いっきりあそんでらっしゃい!」という気持ちになる
→これらのことから院内保育所から別の保育施設へ転所するケースが増える
私が院内保育所を選ばなかった理由
通勤時間が長かった
これが一番大きな理由です。
車通勤、片道約1時間を子どもと一緒は正直キツイ。
機嫌が悪い時はしばらく泣き続けることだってあるし、途中でおしっこもらす、吐くなど
運転に集中できない状況になりかねないです。
長い距離を移動するので、事故のリスクも考えると自宅近くで子どもを預けてから通勤したいと思いました。
日勤帯のみの勤務を選択できた(夜勤免除)
私の場合、夜勤せずに済んだので、夜間対応のない普通の保育所でも問題なかったです。
ただ、いつから夜勤に入れるかという相談は師長からありましたので、院内保育所を利用していたら断り切れずに夜勤に入ってたかもしれません…
認可保育所に入所することができた
私が育休から復帰したのは長男3歳、次男1歳の4月。
子どもが多い地域なので、入所できるか心配していましたが、なんとか第3、第4希望の保育所にそれぞれ入所できました。(4月は兄弟別々の保育所→8月~同じ保育所になりました)
オススメの利用方法
- 0~2歳までは院内保育所を利用
- 希望の保育所に空きが出るまで、院内保育を利用
- 幼稚園に入るまでは院内保育所を利用
- 保育所の待機期間だけ利用
- 保育所や幼稚園との併用
- 夏休みだけ利用
家庭の状況によって上手に利用できるといいですね。
施設によって全然違う…
今回調べて感じたのは施設によって院内保育所の運営方針、利用条件などは異なるということ。
小規模で家庭的な雰囲気での保育を強みにしている保育所もあれば、大きな病院では院内保育利用している児童数100人超えのマンモス保育所で、園庭の広さもイベントの多さも認可保育所と同等という院内保育所もありました。
院内保育所の利用を考えている方は、必ず勤務先の院内保育所のしおりなどで内容を確認してくださいね。
※今回は自宅~勤務先が近いという設定でメリット、デメリットを書いていますが、私のように自宅~勤務先が遠い場合には今回の内容以外にも考慮すべき内容がありますのでご注意下さいませ。
まとめ
働き盛りの戦力である中堅ナース世代=女性にとって結婚、子育ての時期と重なることも多いです。
そんな貴重な戦力であるナースが仕事と子育てとの両立に悩み、退職してしまうのはもったいないし、病院にとってもかなりの痛手です。
優秀な人材確保のため、多くの病院が院内保育所の充実に取り組んでいます。
転職を考えている場合には、スタッフが仕事をしやすいように労働環境の改善にしっかり取り組んでくれる職場かどうか、院内保育所の充実度を判断の指標にしてみるのもいいかもしれませんね。
子どものため、家族のため、そして自分自身のためにも、スタッフのことをしっかり考えてくれる職場で働きましょう!
