「健診センターって楽そうでいいな~」
「精神的な負担が少ないところで働きたい…」
病棟での看護業務に比べると、なんとなく楽そうなイメージの健診センターでのお仕事。
日勤のみで働けて、残業も少ないため、ママ看護師にも非常に人気があります。
「もう少し気楽に働きたい」そんなニーズを持った看護師には向いている職場と言えますが、「健診センター=楽」というわけではなさそう…
今回は、健診センターで働く看護師の気になる仕事内容やメリット・デメリットなどをお伝えしていきます!
- 健診センターはなぜ看護師に人気が高いの?
- 健診センター・検診センターの違いってなに?
- 健診センターと言っても色々ある!?勤務場所の一覧
- 健診センター看護師の求人の特徴
- 健診センターの看護師の仕事内容と役割
- 健診センター看護師に求められるスキル
- 健診センターでの看護師の働き方と給料
- 健診センター看護師のメリット・デメリット
- 健診センター勤務に向いている看護師の特徴3つ
- 健診センター勤務に向いていない看護師の特徴3つ
- 健診センターで働く看護師 Q&A
- 実際に健診センターで働く看護師の口コミ
- 健診センターは看護師に人気が高い!
- 健診センターに採用されるためにできる3つの準備
- 【健診センター】への転職を考えている看護師が絶対押さえておくべき8つのポイント
- まとめ
健診センターはなぜ看護師に人気が高いの?
健診センターでの仕事は日勤のみで、残業無し、定時ぴったりで退勤できる職場も多いため、子育て世代のママ看護師からも人気がある職場です。
また、関わるのは基本的に健康な人なので精神的負担も少ないでしょう。病院と比べると、人間関係も比較的穏やかな傾向があります。
このような理由から、健診センターの求人倍率は0.3倍と非常に人気が高いのです。
(参照:2017年度 「ナースセンター登録データに基づく 看護職の求職・求人に関する分析」 結果)
健診センター・検診センターの違いってなに?

【健診】と【検診】は何が違うの?
読み方は同じですが、【健診と検診】は違います。
2つの違いを見てみましょう!
健診とは、
■「健康診断」の略。健康問題の有無や病気の危険因子を調べる
■一次予防
検診とは、
■「がん検診」など、特定の病気を早期発見し、早期治療するのが目的
■二次予防
【健診(健康診断)の種類】
特定健診・保健指導→40~74歳までが対象。いわゆる【メタボ健診】
職場での健診→【労働安全衛生法】で定められている(事業主が費用を負担)
学校での健診→【学校保健法】で定められている
人間ドック→病院や健診センターで【任意 】で受ける
「人間ドック」は個人の判断で受ける「任意健診」にあたり、1日(半日程度)コースや内容によっては2日にかけて行う場合もあります。一般的な健康診断よりも充実した検査が受けられるのが特徴です。
「検診」は特定の病気を見つけるために、科学的に検証された方法に基づいて行われるもので、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮がん検診などがあります。
健診と検診を混同している求人情報も見受けられるため、自分の希望する仕事内容かしっかり確認しましょう。
健診センターと言っても色々ある!?勤務場所の一覧

「健診」と言っても、働く場所はいろいろあります。
- 健診センター
- 巡回健診・出張健診
- 健診専門クリニック
- 人間ドック専門クリニック
- 病院の中の健診センター部門
- 企業内の健診センター
働く場所がいつも同じ勤務地(健診センター施設内)もあれば、企業や学校へ出向いて健診業務を行う巡回健診もあります。
健診センター看護師の求人の特徴
健診センターで働く看護師の求人には、このような特徴があります。
- 日曜・祝日休み
- 日勤のみ(夜勤なし)
- 定時で上がれることが多い
- 臨床経験・実務経験の条件付きが多い
- 繁忙期には求人数(バイト・派遣)が多くなる
- 人気が高い
- 巡回健診や出張健診などいくつかの種類がある
健診センターの看護師の仕事内容と役割
健診センターで働く看護師の主な役割は、限られた時間内に、適切かつスムーズに検査が行えるように受診者を誘導したり、医師のサポートをすることです。
問診→検査→指導まで一連の作業を行い、一人終わったら、次の受診者を担当する場合もあれば、ひたすら採血!ひたすら血圧測定!など役割が決まっている場合もあります。
【一般的な健診の項目 】
- 問診
- 身長・体重測定
- 視力・聴力検査
- 胸部レントゲン検査
- 血圧測定
- 血液検査(採血)
- 心電図
- 尿検査
- 腹囲測定
【就業先によってはこのような仕事内容も…】
- 健診車での巡回健診・宿泊を伴う出張健診
- 電子カルテやPC操作などの事務作業
- 婦人科(子宮頸がん・乳がん検診)
- 内視鏡検査の介助
- 眼底写真・眼圧測定
基本的に同じ作業の繰り返しです。
初めて経験する検査介助業務もあるかもしれませんが、研修期間を設けている施設も多く、一度覚えてしまえば、それほど苦戦することはないでしょう。
採血さえクリアできれば、あとはなんとかなりそうですね。
健診センター看護師に求められるスキル

採血のスキル(重要)
多くの看護師が不安なのは、おそらく「採血」ではないでしょうか。
忙しい健診センターでは、100人を2時間ほどでさばかなければいけないこともあるそうで…( ;∀;)
2時間で100人分の採決を行うとして、1人あたり1分20秒(血管探し、穿刺、説明(受診者の確認、ラベル張り、アレルギーの確認・止血方法や注意点の説明)で終わらせる計算になります。
ただし、採血は経験すればするほど上達する技術ですから、はじめから達人レベルである必要はありません。
検査介助スキル
採血以外の一般的な検査に関しては、基本をしっかり押さえていれば問題ないでしょう。
検査の項目によっては、普段馴染みのない介助スキルが必要とされる場合もありますが、研修や指導を受け、何度か経験するうちにマスターできるので心配はいりません。
接遇スキル(臨機応変な対応力)
健診業務では、効率よく、スムーズに現場が回るようにスタッフ同士で連携しながら仕事に取り組みます。
各ブースの混み具合を見ながら、受診者を案内するなど、臨機応変な対応が求められます。
受診者の中には
- 検査結果が気になって仕方がない人
- 待たされてイライラしている人
- 検査中に体調を崩してしまう人いろいろな人がいます。「受診者全員が安心して健診を受けられるようにサポートする」という意識を持って仕事に望むことで大きなやりがいにつながるでしょう。
健診センターでの看護師の働き方と給料
■ 正社員:平均月収26万円程度、年収350万~400万円ほど
■パート・アルバイト: 平均時給1,260円
決まった施設に受診者が訪れる施設型の健診センターの求人と比較すると、依頼先に出向いて健診業務を行う巡回健診や出張健診の方が給料が高い傾向があります。
求人情報を見てみると、時給換算で2,000~3,750円といった高額案件もありました!
子育て世代の場合は、協力者がいないと難しいですが、旅行好きで自由の利く看護師さんであれば、出張専門で全国各地をまわる健診センターに絞ってエントリーしてみるのもいいかもしれませんね。
健診センター看護師のメリット・デメリット

メリット
- 定時に出勤・退勤できる
- 体力的に楽
- 精神的に楽
健診センターは基本的には、定時出勤、退勤が可能な職場です。(繁忙期には残業が発生する可能性あり)
業務内容は、基本的に同じ作業の繰り返し。
患者さんを抱えたり、おむつ交換や清潔ケアなどの力仕事はないので、体力的な負担は少ないです。(巡回健診では、機器の搬入など力仕事も業務内容の一部です)
また、受診者は、基本的に健康な人です。患者さんを複数受け持って、命を預かる緊張感や死と向き合う機会の多い病院での仕事に比べると、精神的に楽ですね。
デメリット
- ルーティン作業で飽きる
- スキルアップが難しい
- 接遇マナーが重視される
病棟とちがって、とにかく単調作業。一つの作業、もしくは一連の流れをひたすら繰り返すのが特徴の健診センターでのお仕事。実際にやってみると、早々に飽きてしまう、つまらなく感じるという看護師もいるでしょう。
また、病棟勤務とは違い、アセスメントや患者さんに寄り添ったケアを実践するチャンスはあまりないため、やりがいを感じにくいかもしれません。
健診センターは、採血のスキルを短期間で集中的に強化するにはもってこいの職場ですが、看護師として総合的な力(アセスメント能力、急変時の対応など)をつけたいと考えている場合には、別の職場を検討した方がよさそうですね。
健診センター勤務に向いている看護師の特徴3つ
- 採血が得意、好き
- ルーティン作業が好き
- 接遇に自信がある・接客が好き
健診センターに魅力を感じても、【採血業務】がネックとなり、エントリーを躊躇する看護師はとても多いです。また、腕がなまらないように健診バイトを定期的に入れる看護師もいるくらいですから、採血のスペシャリストになりたい!という人にはおすすめの職場でしょう。
基本的に単調な作業の繰り返しである健診業務、病棟のようにナースコールで作業が中断しすることはありませんし、優先順位を常に考えながら仕事をするといったストレスはありません。
黙々と同じ作業を繰り返すことが好きな看護師向きの職場といえるでしょう。
また、受診者に対しては「お客様」という意識で接し、言葉遣いや態度に配慮する必要があります。クレーム対応を含め、接遇に自信のある方にはおすすめです。
健診センター勤務に向いていない看護師の特徴3つ
臨床経験が1年未満
健診センターでは、充実した研修制度を設けている施設は少なく、基本的に即戦力となる人材が求められます。ただし、臨床経験が1年未満であっても、採血スキルさえ習得できていれば、採用される可能性はアップするでしょう。
患者さんの看護がしたい
「治療に臨む患者さんを支えたい」
「患者さんと関わる仕事がしたい」
「看護がしたい」
健康な人を相手に健診業務を行うため、病院での看護業務とは、異なる部分も多くなります。
上記のような考えを持った看護師にとって、健診センターでの仕事にやりがいを見いだせず、長続きしない可能性が高いです。
看護師としてスキルアップしたい
健診センターでの経験が、その後の看護師人生に役立たないということはありませんが、業務内容が限定的なため、看護師としてスキルアップを望む方にとって、適した職場とは言えません。
健診センターで働く看護師 Q&A
新卒でも採用されますか?
厳しいです。
多くの健診センターでは、即戦力になる看護師を求めています。そのため、実際の患者さんでの採血経験がない新卒看護師が採用されることはかなり厳しいでしょう。
応募の条件としては、臨床経験1年~3年以上と記載されている求人が多く、中には5年以上という場合もあります。
繁忙期はありますか?
4月~6月と9月~11月が繁忙期です。基本的に定時の出勤・退勤可能な職場ですが、忙しい時期には残業が発生する場合があります。
働いていて大変なことは何ですか?また、注意点はありますか?
まず、病院とのギャップに慣れるまでは苦労するかもしれません。しかし、作業自体は単調ですから1か月もすればスムーズに動けるようになります。
あとは、やはり採血。
神経損傷を始めとして、穿刺はリスクをともなう処置なので、気を付けなければいけない。その点は病棟と変わりませんね。
以下に採血に関する注意事項まとめます。
健診センターの採血業務注意点まとめ
- 採血後の止血について(押さえ方、押さえる時間など)注意喚起を行うこと
- スピッツへの入れ替え作業の際に針刺しに注意する
- 看護職賠償責任保険制度に加入しておくこと
看護職賠償責任保険制度について(日本看護協会のホームページ)
看護師がかかわる健診業務の中でも「採血」は、クレーム発生率がダントツに高いと言われています。
「押さえ方が甘かった、時間が短かった」等の理由で皮下血種が発生し、クレームにつながるケースが多いようです。
忙しい業務の中でも、相手に伝わる言葉でしっかり注意喚起を行いましょう。
注射や採血による神経損傷の頻度は、約1万~10万回に1回の頻度で起こると言われています。もしもの場合に備えて、看護職賠償責任保険に加入しておくと安心です。
求人への応募の際に、就業先の保険加入状況をかならず確認しましょう。
実際に健診センターで働く看護師の口コミ

ポジティブな口コミ
Aさん採血100人!!やりましたよー。
500人の患者様の採血を3人の看護師でさばきました。淡々と、はい、次!はい、次!!ってな感じで。
朝から戦争でした。
採血、滅茶苦茶好きでしたから、まさにこれが天職❗って感じでぜーたい、転職したくない❕って思いました。
が…………。
採血やり過ぎで、手が腱鞘炎になり、退職しました。
その後、色々働いたけど、あんなに充実した業務は他には味わう事ができなかったです。貴重な経験でした。
Bさん検診ナースになってからは、完全にお客さま対応ですし、事務仕事もします。うちの会社は紹介状の発行もします。看護師がしなくていい事務仕事をしています。最初は、こんな仕事看護師のやることじゃないし、正直かなり嫌でしたが、看護師の給料をもらいながら事務仕事できてると思えば、なんとなく気持ちが変わりました(笑)
どこにでも嫌な人はいますが、やはり急変や夜勤がないのは、私にとってかなりのメリットです。
基本的に定時の5時に終わるので、ジムや、習い事に励めます。友達との予定も合わせやすいです。検診ナースは、看護師として磨ける技術は、接客力や、OLのような電話対応事務仕事、採血、内視鏡。
マイナスな点といえば、看護技術は少ないです。給料も手取り20万程度です。でも私はメンタルも強くないので、急変のないお客さま対応に追われた方が幸せです。^_^
ネガティブな口コミ
Cさん柔軟なコミュニケーションもいるから神経かなりすりへらします。採血する手技をマジマジとみる人も多いし。
結構、うるさい人も多いし、痛くない様にとか言われるけど、
針を刺すから痛くない無痛なんか無理とかは思うけど、笑顔で対応。
Dさん以前、健診センターにいました。健診、楽ではないですよね。
接遇はもちろんのこと、いろいろ神経を
使う仕事だと思います。
巡回健診は朝早いし・・・。
大きな健診機具を運搬したり、
場所によっては健診場所の設営も大変だったりと
意外に力仕事でした。
泊りでいろんな場所に行けたのは
旅行気分で楽しかったです。でも、やっぱり楽な仕事ってないものですね。
健診センターは看護師に人気が高い!

健診センターは、その働きやすさから看護師に人気の職場です。日本看護協会の調査によれば、健診センターの求人倍率は0.3倍(2017年度)となっています。(3人のうち1人しか採用されない)
一旦入職したら、【健診センターでの働き方】が性に合っている場合はなかなか辞めません。(向き不向きがあるので、早々にリタイアする人も中にはいる)
定期的に採用を行っている職場は少なく、ほとんどは欠員があった時に人員を補充する方法を取っています。
希少な求人ですから、効率的な方法で情報をゲットしたいところです。
健診センターに採用されるためにできる3つの準備
求人倍率0.3倍の人気求人である健診センター。
採用率を上げるために、どんな準備をしておけばいいかチェックしましょう。
臨床経験を積んでおく
健診センターで必要とされる業務(採血、心電図検査など)について
- 経験があること
- 慣れていること
- 得意であること
採血、心電図、内視鏡検査介助など、今の職場で実践のチャンスがあれば、積極的に経験を積んでおくとよいでしょう。
求人情報を見てみると、臨床経験3年以上など、求人の多くは即戦力を求めています。
- 健診センター
- 採血室
- 中央外来処置室
- 透析室
- 生活習慣病外来
- 一般病棟(採血の機会が多い)
このような部署での勤務経験があり、採血が得意であれば、強力なアピールポイントになります。
単発バイトなどで経験をしておく
おためし感覚で単発のアルバイトを経験しておくのも一つの手です。
全くの未経験よりも、バイトであっても現場経験がある方が有利です。
実際の仕事内容や現場の雰囲気を知っているというだけでも、採用率はあがるでしょう。
プロの力を借りる
健診センターは、看護師から人気があります。
ライバルの多い希少な募集枠で採用されるためには、それなりの準備が必要です。履歴書添削など有益なサービスが無料で受けられる、転職サポートを活用して、効率的に転職活動を進めましょう。
利用者満足度96.3%、転職経験のある看護師から最も選ばれている、人気NO1サイトの看護roo!なら、充実したサポートが無料で受けられます。
利用特典としてもらえる【転職ガイドブック】も是非手に入れてください!
【健診センター】への転職を考えている看護師が絶対押さえておくべき8つのポイント
- 子育て世代なら巡回健診(出張健診)のない健診センターを選ぶべし!
- 受診者は患者さんでなく、お客様。求められる接遇レベルは高め。
- 出張健診では早朝5時の集合もあり(遠方なら宿泊も必要)!
- 巡回健診は会場設営・搬入などの力仕事がある。
- 臨床経験としてカウントされないことも覚悟しよう。
- 看護師としてのスキルアップ・キャリアアップは難しい
- 基本的に単調作業の連続。業務自体は割とすぐ覚えられる。
- 採血大好き・得意な人にはもってこいの職場、一人で100人も当たり前!
まとめ
健診センターでの看護師の仕事は「失敗が許されない」というプレッシャーはあるものの、患者さんを相手にする看護師と比較すると、精神的なストレスはかなり軽減されそうですね。
「採血が大好き!採血なら自信がある!」という看護師さん、チャレンジしてみてはいかがでしょうか(^^)