訪問看護師

「訪問看護を辞めたい … 」理由と後悔しないためにやるべきこと

いつかはやってみたかった憧れの訪問看護。

「訪問看護師」になってみたけれど、この仕事を続けていくのって結構しんどいなと感じること、ありませんか?

私は、現役訪問看護師として働いていますが、仕事上でモヤモヤしたり、もう辞めたいと思うこともあります。

今回はその「辞めたい」の中身について分析してみたいと思います。

この記事はこんな人におすすめです。

  • 訪問看護の仕事がつらいと感じている
  • 訪問看護の仕事を続けるべきか、辞めるべきか迷っている
  • 訪問看護を辞めた後、何をすべきかわからない

訪問看護やめようかな…と迷っている方はぜひ読んでみてください。

訪問看護ステーションの離職率は業界トップという現実

公益社団法人日本看護協会の調査によると、病院や介護施設といった施設種別の中で【訪問看護ステーション】は2016年度以降、もっとも求人倍率が高く、看護師不足トップとなっています。

退職の理由としては、「他の職場への興味」「超過勤務が多い」などが多く挙げられています。

訪問看護を辞めたくなる理由

訪問看護師が「辞めたい…」「不安」感じる場面・理由について考えてみます。

病院と在宅のギャップに悩む

病院から在宅へと働く環境を変えた看護師がまずぶち当たる壁。
それが、病院と在宅のギャップです。

入院中は、規則に従って療養生活を送っていた患者も、自宅に戻ればマイルールで自由気ままに生活しています。指導的な立場は受け入れられず、あくまでもアドバイスをするという姿勢が必要になります。

病院で叩き込まれてきた清潔不潔の区別は通用しませんし、十分な衛生材料もありません。

お宅ごとにルールがあり、気を遣う場面が多いため「病院の方が気がラクだった」と感じる場合もあるでしょう。

私も病院にいるときはコストなんて一切気にしてなかったですが、今は、ティッシュ一枚まで節約して使っています。

超過勤務・オンコールがつらい

訪問看護を辞めたいと感じる理由の一つに「残業が多い」「オンコールがつらい」といった労働条件に関連する内容が挙げられます。

看護師の仕事の特性上、利用者さんの体調変化によって、臨時での訪問が必要となるなど、すべてがスケジュール通りとはいきません。場合によっては残業が発生したり、休憩が取れない場合もあるでしょう。

また、オンコールはいつ・誰から・どのような連絡が入るかわからない」というドキドキ感があります。

状態が変化しやすい、お看取りが重なる、不安の強いご家族からの頻回の連絡など、一晩に何度も出動しなくてはいけない状況だと精神的にも肉体的にも疲れてしまいますね。

自分の力不足を痛感する

訪問看護をしていて、自分の力不足を感じる場面はたくさんあります。そのたびに、自信を失ってしまう方もいるでしょう。

訪問看護の対象となる利用者さんは、診療科も年齢層も非常に幅広いです。既往歴の欄に書ききれないほどの持病を持った方もいますし、日々勉強です。

特に新卒や経験年数が浅いうちに、訪問看護師となった場合には、もう少し臨床経験を積んでから、在宅にチャレンジすれば良かった…と後悔する方もいるかもしれませんね。

プレッシャーがつらい

訪問看護において感じるプレッシャーは大きく2つに分かれると思います。

1つは頼りにされるがゆえのプレッシャー。もう一つは、自宅という特別な環境下で一人きりでサービスを提供するというプレッシャーです。

訪問看護は利用者さんやその家族と深くじっくり関われるのが最大のやりがいとも言えますが、頼られるほど、期待に応えられているだろうか…本当にこの判断でよかっただろうか…など悩んでしまう場面は多いものです。

交通事故・恐怖体験

訪問看護は移動を伴うため、交通事故のリスクがあります。
自分がいくら気を付けていても、完全に事故を避けることは難しく、事故のショックから訪問看護の仕事を辞めてしまう方もいます。

また、訪問中は密室状態になりやすいという特徴があり、利用者さんや家族からのセクハラやパワハラ被害をきっかけに、訪問するのが怖くなってしまうケースもあります。

お看取りがつらい

数年、数十年といった長いスパンで関わらせて頂くことも多い訪問看護。関わりが深かった分、お看取りの時はつらいです。

自宅で最期を迎えたいというニーズも高まっており、ガン末期、ターミナル期の訪問依頼は増加しています。

全員が満足いく看取りとなればいいのですが、中には後悔の残る最期となってしまう場合もあり、自分の中でうまく消化できず、お看取りにかかわること自体に疲れてしまうという場合もあります。

看取りにかかわる医療者もグリーフケアが必要ですね…

仕事とプライベートの切り替えが難しい

訪問看護は病院と比べるとオン・オフの切り替えが難しいように感じます。

病棟看護師だった時は「病院を出たら患者さんのことはアレコレ考えない」ようにしていました。しかし、訪問看護師になってからは、プライベートな時間のも「Aさん、どうしてるかな~」なんてふと考えてしまうんですよね。

ICT(情報通信技術)の進化が進み、自宅にいてもスマホやipadなどのタブレット端末で連携をとったり、緊急訪問の状況が確認できてしまう時代です。そのため、プライベートとの切り替えがより難しくなっているのかもしれませんね。

その他

その他にも、このような理由が考えられます。

  • 制度が複雑でよくわからない
  • 書類仕事が多い
  • 多職種との連携が苦手
  • 汚い環境が無理
  • 面白味を感じない

訪問看護は、医療の知識や看護のスキルだけでなく、介護・福祉分野の知識も求められます。介護に近いことも多く、医療的処置も限られているため、スキル低下に不安を感じ、病院に戻る選択をされる方もいます。

なんだかんだで訪問看護を辞められない理由

色々な悩みはあれど「やっぱり在宅が好き!」「訪問看護を辞められない」という理由もあります。

ここでは、訪問看護の魅力をもう一度みつめなおして見ましょう!

人間関係がラク

訪問看護は、基本的に単独訪問のため、常にチームで行動する職場と比べるとスタッフ間でのストレスは少ない傾向があります。

スタッフの性格も、どちらかというと穏やかで優しいスタッフが多いので、相談もしやすいです。

訪問さえしっかりこなしていれば、休憩時間の過ごし方も自由なので、一人が割と好きな人には魅力的な仕事です。

じっくり利用者さんと関わることができる

訪問看護の最大の魅力でもあるのが「じっくり利用者さんと関わることができる」こと。

在宅ほど、相手に合わせた看護が実践できる現場は他にないと思います。

話をじっくり聴いて、相手の望みを叶えるためのお手伝いができる、とてもやりがいを感じられる仕事です。

自分なりの看護ができる

病院では病院のルールにしたがって、看護業務を行うのが看護師の仕事でしたが、在宅では違います。

使う物品もケアの手順や方法も利用者さんに合わせて選択できます。訪問看護の想像力を使うクリエイティブな部分に魅力を感じる人もいるのではないでしょうか。

辞めたくても人手不足で辞められない

訪問看護の分野は、業界NO1の人手不足。
訪問看護ステーションの廃業理由のうち、大部分を占めているのが「人材不足」です。それだけスタッフの確保に苦労しているステーションが多いということですね。

「今、辞められると困る」と引き留められたり、「利用さんに迷惑がかかってしまうかも…」と思うと、なかなか辞められないという方いらっしゃるかもしれません。

勤務条件が魅力的

訪問看護ステーションは、基本的に土日祝日休みで、夜勤はありません(待機はありますが)。残業も病院に比べれば少ないです。そして、給料は日勤のみにしては高め。

子育て中のママ、ワークライフバランスを大切にしたい人にとって、このような条件で働ける訪問看護の仕事は魅力的ですよね。

訪問看護の仕事を辞めたいと思ったときにやるべきこと

辞めたいのは今のステーション?それとも訪問看護?

辞めたいのは今の職場?それとも訪問看護そのもの?

この2つのうちあなたの気持ちはどちらなのか、しっかり見極める必要があるでしょう。

「訪問の仕事は好きで続けたいけれど、今のステーションが嫌」という場合には、訪問看護師を辞めてしまうのはもったいないです!

ステーションを変えてみると、いきいきと働ける可能性がありますので、新しい環境でもう一度、訪問看護をやってみることをおすすめします。

仕事への向き合い方を考えてみる

「帰宅してからも、休みの日も利用者さんのことが頭から離れない」
「自分の判断が正しかったのだろうかと不安でしょうがない」

このような状況が続くと仕事を続けていくのがしんどくなってしまいますよね。休日は仕事から離れて、没頭できるような趣味に打ち込むなど、上手に気分転換しましょう。

勉強で自信をつける

知識が足りなくて不安。
自分の判断が正しいのか不安。
自信がなくて、具体的なアドバイスができない。

このような課題を乗り越える方法は、やはり勉強して自信をつけることです。

病院や医療機器メーカー、学会の勉強会や講習会。今はリモートで参加できる勉強会が増えたため、自宅から気軽に勉強会に参加できます。

YouTubeでも、有益な情報を発信しているチャンネルがたくさんありますよ。

別の職場に転職する

訪問看護自体に疲れてしまった。そもそも在宅が合わない。という場合には、無理せずに転職するのが良いでしょう。

どのような道に進んだとしても、訪問看護での経験が無駄になることはありません。

訪問看護を辞めたらどうする?

別の訪問看護ステーションへの転職

訪問看護自体は好き!でも今のステーションでは続けて行けそうもない。

  • 先輩や上司が嫌い・合わない
  • 給料が安い・ボーナスが出ない
  • 訪問スケジュールがきつい
  • オンコールがきつい

さまざまな理由がありますが、ステーションを変えることで解決できる可能性の高い悩みであれば、思い切って別のステーションへの転職を考えましょう。

訪問看護ステーションの選び方 失敗しない9つのポイント訪問看護ステーションの数、訪問看護利用者数は年々増加しており、今後も増加していくことが予測されます。 次々に新しい訪問看護ステーシ...

 

総合病院・大学病院

在宅を経験してみると「やっぱり病院の方が働きやすい」「もう一度病院で働きたい」という思いが湧いてくる方もいるのではないでしょうか。

大きな病院であれば、複数の診療科の知識を得られますし、スキルアップも臨めます。福利厚生も充実していることから、安心して働き続けられるというメリットもあります。

訪問看護の経験を活かして、地域包括ケア病棟や地域連携室、退院支援ナースとして活躍することも可能です。

クリニック

ワークライフバランス重視型の方には、日勤のみで働けるクリニックは人気の職場です。

働きやすさは院長の性格やスタッフ間の人間関係に左右されますが、良い職場に巡り合えれば、精神的なプレッシャーも少なく働ける職場です。

介護施設

介護施設には、デイサービス、老人保健施設、特別養護老人ホームなど様々な施設があります。

在宅で磨いた、アセスメント技術、介護分野の知識などの経験を活かせる職場です。施設によっては看護スタッフの配置や利用者の介護度・重症度が異なるため、情報収集はしっかりと行いましょう。

まとめ

訪問看護師は、利用者さんや家族の不安や悩みに寄り添い、伴走する仕事。やりがいもありますが、その分、精神的なプレッシャーも大きいですよね。

性格的に合う合わないもありますし、負担が大きすぎるようであれば、一旦、訪問看護から離れてみるのもアリだと思います。

「やっぱり在宅がいいな~」と思えば、いつでも戻ってこれますから^^♪
自分に合った職場を選んで働けるのが、看護師資格の魅力でもありますから、気負わずにいきましょう。

 

ABOUT ME
komaten
新人時代に看護師辞めたすぎた看護師。 看護師始めて、かれこれ10年。 今は楽しく、ゆったりと訪問看護やってます。