YouTubeで天才ピアニストの「看護師あるある」ネタをみて、ニヤニヤしている訪問看護師のこまてんです。
多くの看護師さんが、この手のあるあるシリーズには「そうそう~!笑」と共感しているのではないでしょうか。
実は、訪問看護の分野にも「あるある」があります。
今回は、訪問看護経験者ならきっと共感してもらえるハズ……な「訪問看護あるある」移動編・ケア編をまとめてみました。
では、さっそく移動編からどうぞ~!
訪問看護あるある ~移動編~

気づいたら別の訪問先に向かっている
運転中の考え事は危険ですよね。
しかし、移動中にアレコレ考え事をしてしまうのが訪問看護師です。
- あの判断で良かったかな……?
- あの説明で理解してもらえただろうか?
- 戻ったらまず、先生に報告しよう。
- 次の訪問先で何か確認してくることがあったような……
- 今日の晩御飯何にしよう?
考え事をしながら運転していると、お看取りした利用者さんの自宅に向かっていたりして、「はっ!」とすることがあります。
長いこと同じ曜日・時間帯で訪問していたから、習慣化しているのもあるかもしれません。
新人の頃はあまりこの手のミスはしないのですが、訪問に慣れてくると割とよくあります。ベテランさんの方がやっているかもしれませんね。
迷子・訪問先を間違えて冷や汗
私も過去に2回、やらかしてます。
同行で先輩について訪問している時には、なんとも感じなかったのに、いざ一人で訪問してみると、「あれ?ココで曲がるんだっけ?」「こんな建物あったっけ?」など疑問が湧いて来ることがあるんですよね。
同じような建物が並んでいるマンションやアパート、同じ苗字の方が集まっている地域など、間違えやすいポイントがいくつかありますので要注意。
駐車場問題で悩まされる
移動手段が車の場合、駐車場問題で悩まされることは多いです。
「あの辺、停めて大丈夫よ~」とご家族に言われた通り駐車したら、警察に取り締まられる、近隣住民からクレームが入るなど、さまざまな問題が起こり得ます。
万が一、取り締まられた場合
- 自分の免許証から違反点数が減点される
- 反則金も自分で払う
- インシデントレポートを提出する
色々面倒ですから、駐車場所の選び方には気をつけましょう。
車両関係のインシデント発生率が高い
病院では
- 与薬間違い
- 患者間違い
- 転倒・転落
- チューブ類の抜去
などのインシデントがありますが、訪問看護でのインシデントはちょっと別次元。
いくら自分が気を付けていても、いつ事故にあうかは誰にもわかりませんね。
事故と言っても、物損事故がほとんどです。
ちょっと壁にこすって傷つけてしまったといった、程度の軽いものがほとんどなのですが…。やはりショックは大きいです。
その他、訪問看護で多いインシデントには、訪問日時間違いや自宅内の物品破損などがあります。
天候に左右される

外回りの多い訪問看護師は天候に左右されまくります。
特に大雨、台風など、交通機関にも影響が出るレベルだと、訪問に支障が出てきます。
- 送迎の車で道が渋滞する
- 視界不良で運転しづらい
- 移動で濡れる
- 利用者さんが不調を訴える
車でも悪天候の日は憂鬱です。
自転車移動であれば、レインコートや長靴などの装備が必要になり、なおさら大変でしょう。
天候不良で「古傷が痛むわ……」「天気が悪いとダメだ」と不調を訴える利用者さんも多く、天気によるもので気にしなくても大丈夫か?それとも、どこかに異常が?と不安になってしまいます。
「夏は暑いし、冬は寒い」と苦労も多い訪問看護師の仕事ですが、春になれば満開の桜を見て、「うわぁ~キレイ!春だなぁ~」と毎年感動しています。
日々、季節の移ろいを感じながら「春を迎えられた」という感動を、利用者さんと共有できるのも「訪問看護」の良いところだな~と感じます。
訪問看護あるある ~ケア編~

無理な姿勢で腰痛再発・悪化
ご家庭によっては、床に敷かれた布団で休まれている場合があります。(またはベッドでも高さ調整できないもの)床に敷かれた布団上での、清拭・更衣・オムツ交換は腰に大きなフ負担がかかります。
「ベッドにした方が、寝起きも楽では?」と思いますが、転落の危険や本人の強いこだわり、経済的な問題などでベッドが導入できないこともあります。
在宅において、介助者が作業できるスペースは住宅環境によってさまざまです。
無理な姿勢をとらざる負えない場面も多々あります。
狭い浴室での入浴介助や体格の良い方の元へ訪問がある日は、コルセットを巻いて、腰痛が悪化しないように気を付けています。
訪問先でぎっくり腰なんて、シャレになりませんものね。
利用者、家族への説明について悩む
訪問看護師になり、利用者さんや家族への説明にはいつも悩まされています。
- 相手がわかるように説明する
- 誤解されないように説明する
- 不安を与えすぎないように説明する
- 期待をもたせすぎないように説明する
事実だからといって、事細かにすべて伝えることが正解でない場合も多々あります。
情報が多すぎて混乱したり、一人で過ごすことへの不安が強くなり、それがストレスになって病状の悪化を招くかもしれない。
また、病院のようにIC(インフォームドコンセント)に同席できるわけでもなく、「どのように先生から説明を受けていますか?」と質問しても「ちょっとよくわからなかった」と答える方もいます。
利用者さんや家族に「どこまで、どのように」伝えるべきかいつも悩みます。
物品がない
病院では、あるのが当たり前だった手袋やオムツ。
老々介護、認認介護、介助者が仕事で忙しいなど、いざ、処置をしようとしたら物品がない、不足している物品を依頼してもすぐに準備してもらえないこともあります。
「物がなくてケアできませんでした」では困るので、訪問バックには手袋などを常備し、オムツや尿取りパットは車のトランクに積んで、困った時に使えるように準備しています。
靴下カバーを忘れたときの絶望感
訪問看護では、不衛生なご家庭に訪問することもあります。
床には様々な物が落ちていますので、靴下カバーを履いてご自宅に入らせていただくのですが、時々訪問バックの中に補充するのを忘れてしまうこともあります。
「あ、忘れた…」
一瞬、絶望感に襲われるのですが、すぐに諦めて気持ちを切り替えます。
私は、徳武産業さんの「あしさぽ」を愛用しているのですが、検索してみたところ、どのサイトでも「在庫なし」と表示されるではありませんか!Amazonや楽天で購入できるショップが見つけられませんでした。
メッシュで蒸れにくく、薄くてかさばらないのでとても重宝しているのですが…、残念。
その他にも、在宅サービスを行うスタッフ向けの「フットカバー」がいくつかありましたので、ご紹介します。
アズワンさんのフットカバーは乾くまでに少々時間がかかりますが、厚手なので安心感があります。
感染症の問題や汚染の度合いによって、使い捨ての方がよければ、こちらを使用する場合もあります。目立つのがちょっと難点です。
ナースグッズでお馴染みのアンフェミエさんにも、フットカバーの取り扱いがありました。
ピンク、ネイビー、ブラックの3色。

難聴の利用者さん相手に声を張りすぎてノド枯れる
私が訪問させて頂いている利用者さんは、80~90代とご高齢の方がほとんどです。
難聴の方が多く、基本、声は張っています。
中には、老老介護で、利用者さんと主介護者、2人そろって難聴ということも少なくありません。
補聴器を持っていて、つけてくれる場合はいいのですが「外出する時だけ使う」と訪問中はつけない方も多いんです。
一対一の訪問看護では、会話量が非常に多い。
ほぼ一時間ぶっ続けで会話することもありまして、訪問が終わるころには「かなりノドを酷使したな…」と感じます。
特に風邪をひいた時がきつい。
なんせ自分一人なので。
いつもバックに忍ばせている龍角散の飴、移動中のはノドのケアを。
とにかく時間が足りない!

訪問看護は、ゆったりもあれば、時間に追われて焦る訪問先もあります。
ゆったりとバタバタの違いは、
- 訪問先でのケアの内容とボリューム
- 利用者さんの状況(痛み、動き、機嫌など)
- 病状の悪化や進行
- 不測の事態
このような違いによるものです。
サービス提供時間は決められており、1時間なら1時間の枠で片付け、記録まで終わらせて次の訪問先へ移動しなければなりません。
場合によっては、時計とにらめっこしながらケアを進めることもあります。
はじめは時間オーバーしてしまっていたケアが、訪問を重ねるごとに効率的に動けるようになり、時間内に終えられるようになってきます。
利用者さんからも「手際が良くなったね、今日は楽だったよ」と言われると、とてもうれしくなります。
まとめ
今回は「訪問看護師あるある」移動編・ケア編ということで「コレ、在宅ならではのあるあるじゃないかな?」と思う内容についてまとめてみました。
大部分が「訪問看護師の苦悩」になってますが……
「へぇ~、訪問看護師ってこんな感じなんだな~」と思っていただければ嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ