訪問看護師の仕事

新卒で訪問看護師になれるってホント?私の同期は新卒ナース!

訪問看護って病院で経験を積んだベテランナースが働いているイメージが強いですよね。

かつては、5年目でもまだ早い
新卒ナースが「訪問看護やりたい」なんてとんでもない!

周りの友達、学校の先生、まだそんな風に言ってる人いませんか?

いまや、

看護師養成学校を卒業したての新卒者でも訪問看護師を目指せる時代となりました。

 

なぜ新卒訪問看護師を育てようという動きが起こったのか?

近年の訪問看護業界では、新卒看護師を積極的に採用し、育成していきましょうという取り組みが行われています。

各県の看護協会、訪問看護ステーション協会が次々と新卒者が訪問看護師になるための育成プログラムを開発しています。

なぜこのような動きが出てきたのか・・・

 

 

 

それ

訪問看護師が全然足りてないから。

 

 

日本は超高齢化社会。今後高齢化のスピードはますます加速し、2020年には訪問看護を必要とする人は100万人の大台を突破すると見込まれています。

地域包括ケアシステムの構築には訪問看護が要!と言われながら、現場では人材不足が深刻な状況が続いています。

今までのように病院からの転職組を待っているだけでは需要が賄いきれないんですね…

 

このままじゃやっべーぞ!!!

 

すでに人材不足の状況+今後の需要の増大に対応するために「新卒者を受け入れ、現場で育てて戦力になってもらおう!」ということなんですね。

 

新卒ナースでも

 訪問看護師になれるよ! 

しっかりサポートして育てていくからさ!

 一緒にやろうよ!

 

と言っているわけです。

 

 

 

とはいえ、まだまだ新卒者を受け入れ、育てていけるステーションは少ないのが現実。

新卒訪問看護師プログラムが作成され、取り組みが始まってまだ5年ほどしかたっていない地域もあり、まだまだチャレンジは始まったばかり。

ひなこ
ひなこ
私が、実習でお世話に訪問看護ステーションのスタッフもみんなTHE・ベテランナースだったよ!

友達に相談しても、辞めといた方がいいよって言われることが多くて目指すのがいけないことみたいに感じるんだよね…

ただでさえ訪問看護師って病院で働く看護師に比べればレアな存在だもんね。
実際に周りにいなければ、本当にできるんだろうかって不安になるのが当然だよね…

 

今回は、現役訪問看護師で新卒から訪問看護師となった同期を持つ管理人が

「訪問看護師になりたい」と志望する新卒ナースが訪問看護ステーションに就職した場合に

  • 自分はどのように成長していけるのか
  • どんな課題をクリアしていく必要があるのか
  • そのためにどんな支援を受けられるのか
  • 実際に就職先があるのか

このような内容についてまとめています。

 

新卒訪問看護師育成プログラムとは…

新卒訪問看護師育成プログラムって何?

新卒者が訪問看護ステーションに就職してから、訪問看護師としての力を身につけて、活躍することができるように作成された教育プログラムです。

到達目標

◆2年間のプログラム研修を通して、独り立ちできる
◆2年後には24時間対応の緊急対応ができるようになる

特徴

  • 訪問看護ステーション協会が主体で行われる場合が多い
  • 看護協会の継続教育を活用する
  • 大学の協力を得て作成している
  • 焦らずじっくり・ゆっくり育てる
  • 技術の獲得においては、見学→実施→チェック→独り立ちを基本とする
  • 学習者の苦手意識がある部分は重点的にサポートする
  • ポートフォリオによる評価を行う

ポートフォリオとは?
学習、スキル、実績を実証するための成果を、ある目的のもと、組織化・構造化してまとめた収集物のこと

 

新卒者の学習課題

訪問看護師としての基本的能力、専門的能力は大きく2つにわけられます。

①看護師としての基本的能力
②訪問看護師としての専門的能力

訪問看護師に求められる能力

看護師としての基本的能力

  • 責任感
  • 理解力
  • 判断力
  • 倫理観
  • 自律性
  • 協調性
  • マナー
こまてん
こまてん
これはどこで働くにしても看護師として求められる能力!

訪問看護師としての専門的能力・技術

  • 看護技術の応用(あるもので工夫)
  • 連携力(多職種、関係機関とのかかわり)
  • コミュニケーションスキル
  • ケアマネジメント
  • リスクマネジメント
  • 情報管理  など

 

これらに関して主体的に生涯学習し続ける力が必要・・・

ひなこ
ひなこ
なんだか盛りだくさんだわね…

訪問看護師に求められる視点

  • 生活の中での看護の視点
  • 疾病・障害のレベルに合わせた看護の視点
  • セルフケアと自立の視点
  • 自己決定とインフォームドコンセントの視点
  • 利用者と家族のQOLを目指す視点
  • 権利擁護の視点
  • 安全管理の視点
  • 看護の質を高めていく視点
  • 保健医療福祉の連携を目指したケアマネジメントの視点
  • チームケアの視点
こまてん
こまてん
病院でも、求められる視点ではあるけど、地域で活動する訪問看護師ならではの視点もあるんだね。

 

学習をサポートするの3つの方法

病院に就職するとまず新人研修として、マナー接遇、基礎看護技術、医療安全、感染対策などに関する集合研修が行われます。

訪問看護ステーションは小規模の場合が多く、設備や物品も限られています。
スタッフは通常訪問がありますし、各々のステーションで研修するのはかなり難しい。

そのような問題点をカバーするために学習をサポートする3つの方法があります。

①外部研修

②OJT

③eラーニングを利用した自己学習

①外部研修では、病院や看護協会などの研修に参加し、医療安全や感染対策の知識・技術を学んだり、注射や点滴など技術の習得を目指します。

 

②OJT(実務に取り組みながら行う育成方法)では、先輩スタッフの訪問に同行し、見学→実施→チェック→独り立ちを基本に学習を進めていきます。

③eラーニング(インターネットを利用した学習形態)を利用した自己学習では、訪問看護eラーニングを利用して、訪問看護人材養成基礎カリキュラムに沿った内容を学びます。

 

新卒ナースでも無理なく成長できる理由

理由①:軽症から徐々にステップアップすることができる

訪問看護の利用者は、軽症~重症、状態が安定している方~不安定な方、新生児~超高齢者と看護の対象が幅広いのが特徴です。

 

基本的には、自宅での療養可能な病状が安定している利用者さん(いわゆる慢性期)がほとんどです。
(中には、終末期などで体調が不安定な方ももちろんいますが)

 

まずは入門編として、軽症で状態が安定している利用者さんから担当し、利用者さんの性格や家庭の雰囲気なども考慮して、受け入れがよさそうな訪問先が選ばれるでしょう。

そして経験を積んでいき、段階的に重症度の高い、関わりが難しいケースへとステップアップしていきます。

 

臨床経験が5年でも、10年であっても、今までかかわってこなかった疾患や
「初めてのケース」に出会って戸惑うのは先輩も一緒です。
わからないことは、一つ一つ調べて知識や経験を積み上げていけば大丈夫です。

 

理由②:しっかり自信がつくまで同行してもらえる

ケア方法や自分のアセスメントに自信がない場合、病院であれば近くにいる先輩に確認することができますが、訪問看護では難しいですよね。

 

単独で訪問できるようになるまでには、何度も同行(先輩が一緒についてきてくれる)してもらい、自信が付くまでそばでサポートが受けられます。

 

私の勤務先ではほとんどの場合3回目にほぼ見守りで実施し、問題なければ4回目からは単独訪問になることが多いです。

 

1回目:見学

2回目:指導を受けながら実施

3回目:見守りで実施

4回目:問題なさそうなら単独訪問

ただし、訪問先によってケアの内容、やり方(複雑さ)はさまざまですから、不安がなくなるまで同行してもらうことは可能です。

理由③:不安があればいつでも相談できる

訪問先で利用者さんやご家族から質問された内容について、その場で答えられないこともありますよね。

回答を急がない場合であれば、いったん質問内容を持ちかえって、確認し、後日お伝えする方法でも問題ありませんし、すぐに回答しなければならない場合は、各自持ち歩いている電話を使用していつでも先輩や上司に相談することが可能です。

「この場合はこの処置でいいのだろうか?」などケア方法について悩むこともあります。

私の勤務するステーションではタブレット端末を用いて、画像を送ってアドバイスを受けたり、動画でリアルタイムでやりとりすることも可能です。

新卒で訪問看護。どんな職場を選べばいいの?

新卒ナースでも訪問看護師を目指せる時代になった。

そうはいっても、実際に訪問看護ステーションに問い合わせると「臨床経験が最低でも2~3年ないと採用は厳しい」と断られることもあります。

小規模ステーションが多い地方では新卒者の採用はまだまだ進んでいません。

看護師を一人前に育てるには、とーーーってもお金と労力と時間がかかる。

訪問看護師を育てたい気持ちはあっても、スタッフが少ない、経営が厳しい。色々な理由があって、新卒ナースの採用はハードルが高いというのが実情です。

 

ではそんな状況の中、新卒ナースが訪問看護師を目指せる就職先にはどんな職場があるのでしょうか。

①新卒者採用を行っている大手の訪問看護ステーション

  • 前例がある安心感
  • 受け入れ体制(教育・研修制度・設備)が整っている
  • 同期が多くて心強い

地方には少ないですが、都市部には割と多い大手の訪問看護ステーション。

有名なところだと、セコムやケアプロなどがありますね。
一緒に働く先輩の中にも自分と同じように新卒で採用され、実際に成長して活き活きと仕事している姿が見られる。これが一番安心感ありますよね。

同期がいるというのは新卒ナースにとって非常に心強いです。
悩みを打ち明けられる仲間がいることは苦難を乗り越えていくための大きな支えになります。

独自の教育カリキュラムなども整備されており、訪問看護師として一から成長をサポートしてもらえるのはうれしいですね。

②人間関係が良い小規模の訪問看護ステーション

実際に小規模ステーションで新卒者を採用しているステーションはごくわずかだと思います。

このようなステーションに採用されるためには、訪問看護に対する熱意はもちろん、豊かな人間性などもチェックされ、採用されたとしても1年に1人が限界。
同期はいない場合が多いかもしれません。

そんな環境で、新卒者がスタッフから受け入れられていないと感じてしまったらとてもつらいです。そのため、教育・指導スタッフだけではなく、ステーション内のスタッフ全員で新卒者を育てていくんだという意識が必要になるでしょう。

みんなで温かくサポートして成長を見守っていきながら、OJT中心の学習スタイル、看護技術習得のために看護協会や近隣病院での新卒者向けの研修に参加させてもらうなどの方法でカバーしていきます。

③病院と訪問看護ステーションの両方を運営している法人

病棟で基本的な部分を学んで、のちに訪問看護ステーションへ異動ができる職場を選ぶスタイルです。

 

人員のバランスやステーションの経営状況によっては希望が通らない可能性もゼロではないのがデメリットでしょうか。

しかし、万が一訪問看護師の仕事が合わなかったという場合に、退職することなく職場を変えられるチャンスがあるのはメリットと考えることもできます。

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私の同期は新卒ナース!

私の勤務するステーションは決して大手ではありません。
新卒OKとも求人情報には掲載されていません。

しかし、私と一緒に入職した同期は新卒ナースでした。(新卒ナースは初の採用!!!)

採用するかどうか、かなり悩んだようです…やっぱり訪問もしながら教育もって結構大変よね

熱意のある(適性もある)人材なら新卒でも一生懸命育てていく(でも、毎年はとても無理!)という感じでしょうか。

実際、一年目は外部の研修(看護協会、近隣の病院、別の訪問看護ステーション)が多かったです。
ちょこちょこ同行もしつつ、基礎研修を受けているような状況でした。

「どのステーションにも断られて、やっぱり無理なのかな…って。でも、このステーションにやっと拾ってもらえた。だから期待に応えられるように頑張りますっ!!」

新卒入社のスタッフは今年で訪問看護師3年目になりますが、毎日いきいきと訪問に出かけていますよ^^

なんていい子なんだ…

こういう仲間を身近で見ているから「新卒ナースでも訪問看護師目指せるんだ!」と実感できるんでしょうね。

逆に身近にいなければ、いつまでも「新卒で訪問看護なんて無理無理~」って思ってたかもしれません…( ;∀;)

 

まとめ

訪問看護師として働いていく上で、最も大切なことは利用者さんやご家族が安心してご自宅での生活を送っていけるか考えてサポートしていくこと。

看護技術や知識ももちろん重要ですが、もっと大切なのは人としての温かさや訪問看護師としてのセンスだと私は思います。

「新卒では訪問看護師になれない」という思い込みが世間的にまだまだ根強く残っているのは事実ですし、実際にそのような言葉をかけられることもあるでしょう。

でもそんな言葉にも揺るがない熱意があるなら、是非チャレンジしてほしいです。

新卒から訪問看護

そんな選択肢もあるんだなと知っていただけたら嬉しいです。

 

ABOUT ME
komaten
現役訪問看護師/やんちゃ盛りな男の子2人の母です('ω') 今はこのブログが趣味の一つになってます。