こんにちは、こまてんです^^
突然ですが、訪問看護の現場って…
病院では考えられないような危険がひそんでいることを知っていますか?
訪問看護って病院で勤務していた時と違って、なんでも一人。
「よく知らない他人の家に、ひとりぼっちでお邪魔して大丈夫なの?心細いわ…」と私も思っていました。
訪問看護は自由度が高い反面、移動に伴う危険や単独でお宅に訪問するという特殊性などよくよく考えてみると、結構リスキーな部分もあります。
過剰に心配しすぎるのはよくありませんが、訪問看護師として働く上で身を守るために知っておくべき危険について考えていきたいと思います。
この記事は
■訪問看護に興味あるけど、周りに訪問看護をやっている知り合いがいない!
■実際働いている人の生の声が聞きたい!
という方に向けて、
■訪問看護の現場で働く看護師にどんな危険が潜んでいるのか
■注意した方がいい点とその対処法
について書いています。
ここに注意しよう!訪問看護の現場に潜むリスク
移動にともなう危険
①道に迷う
私の勤務する訪問看護ステーションの訪問車はナビ付ではありません。
そのため、グーグルマップに頼りっきりでございます。
グーグルマップのナビを頼りに訪問先へ向かいますが「目的地に到着しました。案内を終了します」でだいぶ手前でナビ終了になってしまうことも割と多いです。
わかりやすい目印でもあればいいのですが、同じような住宅が並ぶ分譲地だったりすると、どのお宅かわからずにグルグルしてしまうことも。
時間のロスでかなり焦りますね…
時には「この先に民家あります?」と疑いたくなるような、軽自動車一台がギリギリ通れる道をヒヤヒヤしながら運転することもあります。
②事故にあう

日頃から事故には十分に気を付けていますが、いくら気をつけても避けられない事故もあるわけで…。
運転時間が増えるほど事故にあうリスクも上がりますよね。
私は今のところ仕事中に事故にあったことはありませんが、車体を傷つけてしまいインシデントレポートを書いた経験があります。このような細かなものも含めれば当事業所内で年に数件の事故が発生しています。
「訪問時間に間に合わない!!!」という焦りは事故のもとですから、遅れそうなときは早めに次の訪問先へ連絡を入れてしまいます。訪問予定時間に間に合わないことを謝罪し、気持ちに余裕をもって運転するようにしています。
③自然災害
いつ起こるかわからない大地震。そのほかにも、台風、大雨、大雪など訪問看護師にとってはかなりつらい。

病院勤務であれば、勤務先に到着できれば仕事ができますが、訪問看護では違います。
利用者さんの自宅~次の訪問先を移動しながらケアを行うわけですから、危険を承知の上で次の現場へと移動しなければならない場合もあります。
さすがに「今外に出たら死ぬ…」と命の危険を感じるような場合は、訪問を中止せざる負えない場合もありますが、よっぽどでなければ通常通り訪問は行われます。
昨年も台風による暴風、大雨の被害がありました。
台風の被害で普段使用している道路が倒木や土砂崩れで通行できなくなったり、
記録的豪雨で川は氾濫。
道路が川になっている中、訪問先への移動は、恐怖です。
滝のように打ちつける雨の中、車の中にいるのもこわくて泣きながら運転しました。
普段通っている道が冠水で通行止めになっているため渋滞が起こり、事業所に戻るのに普段の3倍、時間がかかりました。
「判断を一歩間違えれば命を落とすかもしれない」
本気でそう思いました。
過去に経験したことのないレベルの自然災害が、毎年のようにやってくる時代。
この先、こわい思いをする機会が増えていくのかな…。
そして、忘れちゃいけない大地震

地震発生時どこにいるかによりますが、利用者さんのお宅や車の運転中だった場合どのように動けばいいのかとても不安です。マンションの高層階、家具や物が所狭しと並べられた家、「耐震性大丈夫?」と不安になるようなお宅などさまざま。
地震発生時どこにいるかは自分ではコントロールできません。
すぐに事務所へ戻れない可能性も考えて、あめと飲み物は常にバックに入れるようにしています。
④交通違反
私はプライベートで一度駐車禁止で取り締まられたことがあります。
かなりショックでした。
訪問の移動手段が車の場合、駐車禁止、スピード、一時停止
訪問看護師が取り締まられることの多い3つの違反!
もちろん自分の運転免許から減点です。そして、罰金も自腹です。
会社は出してくれませんぞ…

さらに!インシデントレポートもしっかり書きますよ~。
交通ルールを守っていれば取り締まられる心配はないんですが、
・「指定された駐車場に別の車が停められて使えないので路上駐車をせざる負えなかった」
・「考え事をしていて、一時停止がおろそかになってしまった」
・「訪問時間に遅れそうで焦っていつもよりスピードがでていた」
こういった理由からルールを破ってしまうこともゼロではありません。
上にあげた3つの交通ルールを破ってしまう原因の一番は急いでいる、焦っている時だと思います。
訪問時間がオーバーしないように効率を考えて動く、駐車場に止められない場合の対応など、普段から不測の事態を考えて行動するクセを付けていくことで避けられる場合もあるかと思います。
一人で訪問することによるリスク
⑤セクハラ行為、わいせつ行為
性的な質問などの言葉でのセクハラ、痴漢行為、いろいろ考えられます。
看護師をしているとベットから車いすへの移乗介助で必要以上に抱きついてきたり、お尻をさらっと触られたりって割と経験があるのではないでしょうか。
看護師は安全のためにしっかり抱きかかえようと患者さんと密着する機会も多いです。男性からしたら「ちょっとくらいいいかな」なんて魔が差してしまうのかもしれませんが…
病棟ではほかの患者やスタッフの目もあり、すぐに助けを求められるのでそこまでエスカレートすることはないと思います。
しかし、在宅は利用者さんと「1対1」でかかわることが非常に多いです。
病院と違って、密室状態ですから、魔が差してなんてことも…
中には睡眠薬を飲ませて、わいせつ行為におよんだという衝撃的な事件もありました。
https://www.sankei.com/west/news/191219/wst1912190019-n1.html
「マジか…」と心底呆れますが、中にはそういう人間もいますので気を付けましょう。
出されたものは決して口にしない!それが一番確実ですが、現実的にはなかなか難しいです。
ケアの後のティータイムを楽しみにしている利用者さんもいます。「一緒に食べようと思っておいしいお菓子かってあるのー♪」と嬉しそうに言われたら、「どうぞ、お気遣いなく」なんてお断りするのも心苦しいんですよね…
(現在は新型コロナウイルス感染予防のため、訪問先での飲食は禁止です。すべての利用者様に事情をお話してお断りさせていただいています)
⑥モラルハラスメント
モラハラは倫理や道徳にはんした嫌がらせ。大人のいじめみたいなもの
言葉や態度で相手を追い詰める行為のことです。

具体的には
●暴言を吐く
●嫌味をいう
●嫌がらせをする(必要な情報をあえて教えないなど)
●不機嫌にふるまう
●にらみつける など
看護師なら、経験がある方も多いのではないでしょうか。
多少の嫌味なら、自分が我慢すれば済むからと考えてしまう方も多いと思いますが、精神的なダメージはかなりのものです。
例えば、緊急訪問の依頼を受けてすぐに駆け付けたのに「グズだな!なんでこんなに遅いんだよ!呼んだらすぐに来いよ!」と怒鳴られたり、正座させられて延々説教をされたり。
このような暴言型のモラハラの場合はICレコーダーなどで録音し、証拠をしっかりのこしておきましょう。相手にやめてくださいと言っても改善されることはきわめて難しいと思いますが、契約解消時の立派な理由になるからです。
⑦ストーカー

人によってやけに慣れ慣れしいというか、距離感が近い人っています。
そういう相手と接するときには意識的に距離をとるようにしています。
「OOさんは結婚してるの?どこに住んでるの?」などプライベートな質問をしてくる利用者さんは結構いますが、プライベートなことは必要以上に話さないように気を付けた方がよいです。
これらは、利用者本人に問題がなくても、同居している家族等にも注意しなければなりません。
⑧犯罪に巻き込まれる
例えば訪問中に泥棒が入ってきたとして、すぐにその人が泥棒ってわかりますかね?
明らかに目出し帽とかならわかりますけど、、(笑)

普通の格好でなんの違和感もなく入ってきたら、家族なのか他人なのか私はわかりません。
訪問中に玄関のドアが開いてだれか入ってきた気配がするけど挨拶することもなく、奥の部屋に入っていった。
「だれなの!?家族?親戚?近所の人?」ってこと結構あります。
ご家族も色々なタイプの方がいて、毎回「お世話になります」と挨拶してくださるご家族もいれば、訪問に伺っても姿を見せない(在宅中でも出てこない)場合も結構あります。
ふと遭遇しても利用者さんとの関係性がわからない!ということが起こります。
基本的に訪問中は玄関のカギは開けたままにしていることが多いです。ケアの内容などによっては褥瘡の処置や便処置など、ふいに訪れた訪問者に見られるとまずそうな場合は許可を得て施錠させていただく場合もありますが…
場合によっては、訪問中は施錠していた方が安心なこともありますので、利用者さんと相談の上、対応を決めるようにしましょう。
まとめ
「こんな心配ばかりしていたら訪問看護なんてできないよー!」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。不安にさせてしまったらごめんなさい…( ;∀;)
でもね… 基本的に単独で利用者さんのお宅にお邪魔してケアを行うという訪問看護の特徴から「自分の身は自分で守る」という意識を持つことは大切だと思うのです。
「危険」という視点からみたら移動はリスクになりますが、ドライブが気分転換になったり、場所が変わるごとに気持ちを入れ替えてケアができるというメリットもあります。
優しくて人柄のいい利用者さん、ご家族もたくさんいらっしゃいます。関わらせてもらったこちらが元気をもらったり、ほっこりする機会も多いんです。
今回のお話は頭の片隅に置いて、安全に仕事できるように、危ない目に合わないように危険察知のアンテナ感度を上げていきましょう!
